第16話夕暮れのほっこり
サトルはその日「野菜雲」というダイニングバーで夕方5時から飲んでいた。店内は木目調のお洒落な雰囲気である。
そのカウンターの向かいの厨房にはこの店で働く梨奈がいる。カウンターから少し振り返るようにすると、お店の入り口側道路沿いはガラス張りになっているので、外がよく見える。向かいには古着屋が見え、その古着屋の上は新聞社の事務所のようであった。
何気なく見ていると勤務中のサラリーマンや、学生などの装いは3月相応なのか。そう思った時、梨奈と出会ってもうすぐ1年くらいだと思った。
店はまだサトル以外のお客さんはおらず、梨奈と断片的に話をしていた。
「1対2対3だから…あ、スプーンは…。あ、あった。…よしっ。」
キリが良さそうだったので、
「バジル串とトマトチーズ串。」
「オーダー入りました!」
「イャア!」
掛け声よく、活気よく呼応している。
「そういえばさぁ、大人の塗り絵買って見たんだ。」
「へぇ、難しそうだね。」
「帰ったらやってみようと思うんだけどまだやってないよ。」
よく、料理しながら話しかけられるな、と感心する。
7時くらいになって混み始めてきたのでお会計してもらうことにした。梨奈が「今度、奥さんと来たら。ほっこりするから。」とさらりと言ったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます