読んで欲しいだけです

@chihirodes

読んで

私は、昔から何故か目立ちたかった。そのために努力した。小学校もやりたくないことも進んでやった。みんなにも自分にも「私は優しいね」って言った。

中学校2年の時。3年生の卒業式で準備あと片付けそして式に出席、それは人数の少ないうちの学校で当たり前だった。3年生が退場する時泣きながら2年の後輩に手を振っていた。去って行く人達の中にはずっと仲良くしてくれてた先輩が何人もいた。その中でも最も仲の良かった先輩に手を振った。目を見て手を振った。でもその人の目には私は写っていなかった。その人だけじゃない。他の誰の目にも私は写っていなかった。それに気がついた瞬間私が何故目立ちたかったのかわかった。人の目に写りたかった。人の耳に声を入れたかった。人に私を認識して欲しかった。そして私はちっさい人間なんだと思った。「私を見て、私の声を聞いて、私の名前を読んで、私を…認識して」そればかり考えてしまうようになった。

それから1ヶ月が過ぎた。私はもう3年生だ。1ヶ月経っても私を見てほしいという思いは止まらず人の目を見て私が写っているかどうかずっと見ていた。相変わらずあまり写っていない私がなにか行動を起こさないとだれも私を見てくれなかった。そんな時にある動画を見た。それは歌い手さんの歌ってみただった。その歌は強く私の「心」に刺さった。心の底からすごいと思った。引き込まれてしまった。今までどの歌より、どの言葉よりずっとずっと強く刺さった。そして「私もこの人みたいに歌ってみたい」と今まで感じたことがないくらい憧れというものを強く感じた。歌で人の心に残りたい。少しでも多くの人の心に私を残したい。


あれから5年色々あったけど今ではチャンネル登録者100000人声の歌い手になれた。100000人の人の中に私の声は届いている認識してくれている。とても幸せな日々だ。

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