第25話

「…寝たい」

「お嬢様、いつも寝てるじゃないですか」


ソファにふんぞり返っているのはわたくしのお嬢様、北条 麗菜様。お嬢様の説明は、ただただわがままです、以上。


「うぅ、頭痛い…」

「あれですかね、今流行りの仮病ですか?」

「仮病は元からみんなやってるよ、仮病じゃなくてガチよ」


仮病じゃ…ない!?あり得ない、お嬢様のわがままっぷりから仮病じゃないなんて…今日雪が降りますね


「うぅ、頭痛止めの薬…バファリンを…」

「わかりました、ブファリンですね?」

「…は?」


ブファリンを買ってこないと、でもお嬢様の看病は執事たるものやらないと…


「スノーフラワー、孝太呼んできて」

「ニャァ」


猫のスノーフラワーに頼んでもう一人の執事、孝太を探してきてもらう。孝太は動物と会話が出来るため探すのは簡単だ。


「隼人さん、どうしました?」

「お嬢様がガチの頭痛です、頭痛止めのブファリンを買ってこい」

「わかりました、ブッファリーですね!」

「え、は?」


なんか誤解されてる気が…まぁ大丈夫だろう。とりあえず、お嬢様の妹、蓮李様にも伝えなくては。


「えっ、お姉ちゃん頭痛いの?蓮李ね、頭痛いときは冷たいものがいいって聞いたから買ってくる!」

「お願いします、蓮李様。」


これで大丈夫だろう、お嬢様に毛布をかけて、家事を全てこなして、これぞ完璧な執事…!!!!


ー1時間後ー


「隼人さん、バッファロー買ってきましたよ!」

「隼人さん、蓮李ね、冷た~い凍った鯛持ってきたよ!」


…あれ?


「孝太、お前は後でお説教として…蓮李様、何故鯛…?」

「お姉ちゃんが早く頭痛いの治ったらめでたいでしょ?だから!」


なんて姉思いの妹だ…!


「バッファロー…どうしようか」

「ここで飼いましょう隼人さん!」


鯛は解凍して夕食に、バッファローは屋敷で飼うことになりました。勿論、お嬢様の頭痛は変わらなかったです。

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