第10話

「うぅぅぅぅっ…」

わたくしの目の前で泣いているのは、わたくしのお嬢様。あ、わたくしがいじめたわけじゃないですよ!?昨日お嬢様のデート練習に猫カフェへ行ったから飼い猫のスノーフラワーに無視されたり、そっぽ向かれたりして泣いているのです、はい。

「お嬢様、飲み物を持ってきま…」

「置いといてよ!こうなったのは隼人のせいよぉ…(泣)」

はぁ…面倒くさいですね、お嬢様がこうなると。

「お嬢様、スノーフラワーもきっと分かってくれますって」

「でも今はわかってくれない…」

お嬢様が沈むなんて珍しい。キノコが生えるくらいじめぇっとしてますぞ。

「お嬢様の好きなデザート作ってあげますから。」

いいながら頭をぽんぽんとしてみた。怒られると分かっていても、なぜかぽんぽんしないと、って思う。

「むにゃむにゃ…馬鹿執事…」

あ、寝ちゃった…っていうかお嬢様失礼すぎ…夢でまで馬鹿執事と言うなんて。でも、ぐっすり寝てて可愛い…なんて思ってませんよ!?起きたらわがままお嬢様なんですから!…ふふっ、おやすみなさいませ、お嬢様。そう思い背中に布団をかけてあげた。

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