公園

青砥 瞳

第1話 彼女の赤いズボン

紫色の彼女との想い出


この季節

散歩してると

つい公園を探す


あの、昔、娘とよく行った公園に

似てる所はないかと


近所に公園はいくつもあった


歩いて20分程の、あの場所

そこには殆ど人がいなかった


すぐ横に、児童館なるものが出来たから

雨の日には便利だけれど

皆、服を汚さないようにと

晴れの日でも公園にはいかないようだった


だから、公園を独り占め・・・2人占め


娘は公園のブランコも

彼女にとってはとても広いであろう

トラックになってる空間を駆けるのも

砂場で遊ぶことも

大好きだった


砂場で遊ぶために

スコップや玩具を編み編みの手提げに入れて

ベビーカーに引っ掛けておくの


エネルギーが一杯で

疲れを知らずにはしゃいで遊ぶ彼女


ママは疲れてしまってgive upしてしまったわ


いつもは薄暗いと思っていた休憩する場所

石で出来た長椅子に座って

心地よい疲れを感じていた


影があるから

なんだろうと見上げると・・・


紫色の藤の花


ママまで遊びに夢中になっていて

気がつかなかったみたいね


花に癒されて気分が和んだからか

それとも

見上げて藤の花の隙間から覗く空からの光なのか


なんだか視界が明るくなった気がしたのを覚えてる

気がしただけかもしれない



そこから彼女を見てると

暑い季節でもないのに

汗を一杯にかいてたみたい

上の服が汗で体にくっついていたから


オーバーオール(サロペット)のズボン

彼女も私もお気に入りの赤いズボン

何度も洗ったから色が褪せてきていた


彼女は私の所に駆けてきて

隣りに座る

帽子をとると汗とミルクの匂いがした






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