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「まったく、本当にはなちゃんはチョコレートが好きなのね」

 呆れ顔のミケからため息交じりに言われた。仕方ないだろ、好きなものは好きなんだ。

「まぁ喜んでくれたのならいいだけど。あたしも飲みたかったし」

「マジでありがとうって思ってる」

「こういう所は素直なのよね」

 なんてまたため息を吐かれる。でもそんなのどうでもいい。だって一度は諦めたチョコのドリンクを手に入れたのだから・・・!!

 少し前、出勤途中のミケから連絡が入った。丁度駅前のカフェにいるけれど、新作一緒に飲むか? と。

ミケはそのカフェの新作を必ずチェックするし、俺がチョコ好きだってのも知っているし。さすがオネェ、気の遣い方が素晴らしい・・・! 

「いつもそうやって歓迎してほしいものだわ」

「え」

「だって嬉しそうに扉を開いてくれたじゃない。あたしが待ち遠しかったってのも分かるけどさ」

「いや、待っていたのはドリンクだし」

「ドリンクを持ったあたしでしょ?」

「ミケが持ってくるドリンクだけど?」

「・・・まぁそれがはなちゃんよね。分かってる、分かってたけど」

 長い付き合いだしな、チョコ好きってことも俺がミケに対してそういう態度だってこともちゃんと分かってるしな。いやぁ持つべきものは友だわぁ(棒)

「そういうとこひっくるめてはなちゃんなのよね」

「よく御存じで」

「伊達に長く付き合ってないわよ。どう、あたしが買って来たドリンク、美味しい?」

「新作めっちゃ美味い。ありがとう。このドリンクを作ってくれた店にも、ミケにも」

「はいはい。あー、冷たくて美味しいわぁ(棒)」

 いくら太陽が出ていないと言っても今日の気温は半袖で丁度いいくらいの気温。クラッシュされた氷が入っているドリンクを溶けない様に持って来てくれた友には感謝しかない訳で。

「俺が作ったカフェモカ持って帰っていいから」

「え、やだ! 何これ! ちゃんとホイップまで別付けされてる! いいの!?」

「俺にはこっちがあるし」

 やけくそ泡立てホイップも、美味しく食べられてきっと満足なはずだから。

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