第35話 不吉

「………」

カズは深刻な表情を浮かべていた

「どうしたんですか?カズさん」

「凶悪犯が大量脱獄だとよ」

「えっと…凶悪犯って…」

「人を殺すことになんの迷いもしねえ連続殺人鬼だ…」

「え…でもこう言ったらあれですけど僕たちにはあまり関係ないんじゃ…」

「確かにただの凶悪犯だったらあまり関係無えかもしれねえ…だがこいつらはな」

カズはかばんに一冊のノートを見せた

「こいつら全員がパークで逮捕されてんだよ」

「え?……それって…」

「動物が人の形になったのがフレンズ…だからこいつらは昔、フレンズを標的にしたのさ」

「じゃ…じゃあフレンズさん達は…」

「その時はセルリアン騒ぎもあって人員を強化してたからな、職員とフレンズで手を合わせなんとか無事に終わったが…まさか脱獄するとはな…」

「まさかその人達がパークに…」

「来たらヤベエだろうな、前は全員で1人を相手するような感じだったがもし…一度に全員来たらパークは…」

カズは腕を組み

「だがどうやってあいつらは…そう簡単に脱獄は無理なはずだが…内通者が居ねえと無理だ…」

「もしかして最近パークを壊そうとしてるあの…」

「それは無えな、あの野郎はそんな事は絶対やらねえ…」

「じゃあ一体誰が…」

「さあな…」

カズは立ち上がった

「悩んでてもしょうがねえ、とりあえず雪山行くぞおめえら」

「あ、そういえばそうでしたね、忘れてました」

カズ達は疲れを癒すため温泉に行こうとしていた


キ●グクリムゾン!


「という訳で雪山に到着ー」

「え?今何が!」

「まぁ細けえ事は気にすんな」

カズ達は旅館に入る

「よぉ久しぶりだなお前ら」

「あら?いらっしゃい今日は5人も居るのね?そちらの方は?」

「は?5人だと?俺たちは4人だけだぜ、俺、ゼロ、かばん、サーバルのな」

「え?でも今確かに…あれ居なくなってる…」

「……」

ゼロは無言で踵を返す

ガシッ…

「おおいどこに行くんだお前」

「い、いや気分が悪いので帰ろうかと…」

「そうか気分が悪いのかそうだよな疲れてるもんなじゃあ温泉に入ろうぜ」

ズルズルズルズル…

カズはゼロを引きずる

「嫌だああああああああああああ!」


カポーン


カズ達は温泉に入り旅館で寝ていたすると…


ドン…ドン…ドン…

「?…何ですかねこの音は…」

ゼロは何かの音で目を覚ました

ドン…ドン…ドン…

「音は…こちらですかね…」

ゼロはついに音の正体を見つける



ドン!ドン!ドン!



「クソ…何でアイドルフルル出なかったんだよ…いくら吹っ飛ばしたと思ってんだよ…八万だぞ八万…クソ…」

漆塗りが壁を殴っていた

「何やってるんですかあの人は…」

ゼロは寝室へ戻ろうとするが

ドン…ドン…ドン…

「今度は一体誰が」

ゼロは音のする方へ歩き出す


ドン!ドン!ドン!

「今度は誰ですか!」

ゼロが音のする方を見ると…


白い影が壁を殴っていた…

ゼロは走り出した


カズが寝て居ると

ドンドンドンドンドンドン!!

「んだよ…五月蝿えな…」

ドカッ!

カズの寝室にゼロが転がり込んできた

「出た出た出た出た出た出た出た…出たんですよ…」

「出たって…何が出たんだ?もしおり姫トキだったら栗饅頭さんに怒られるぞお前」

「ち…違うんです…ゆ、幽霊が…」

「はぁ?」

カズはゼロに案内され白い影があった場所へ

「んだよ…何も無えじゃねえか…くだらねえ事で起こすんじゃねえよ…」

「そんな筈は…」





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