僕と天音が付き合うまで その11 (天音復活計画その3)
「じゃあ、片付け宜しく、カレーは明日の朝の方が美味しいから」
「うん朋ちゃんお休み~~」
「朋……まあ、もういいや、お休み……」
本日はカレー、まあ特に普通のカレー、市販のルーを2種類入れるのと、隠し味にインスタントコーヒーとリンゴをすりおろして入れただけでこくと甘味が増して美味しい。
毎日お喋りと朝と夕御飯を一緒に食べる、その2つはずっと実行している。
しかし相変わらず、僕が天音の制服を着ないと話しがあまり出来ない……
というより、うつむいてしまい、会話が弾まない、そして何を言っても毒を吐かれて話しを止める方向に仕向けてしまう。
「でも……このままだと……天音の相手の男に制服着せないと、会話も出来ねえんじゃない?」
部屋に入ってぼそりと呟き少し想像する…………ヤバい面白い……
クスクスと笑いながらPCを起動、いつものようにゲーム立ち上げる……
天音と夕方から夕飯まで付きっきりなので、ゲームは夜だけ、しかも夏休み前のテスト期間中だった事もあり、1時間位しかリンと話しが出来ない
来週から遂に夏休み、夏休みにリンと会う約束をしているが、未だにいつとは決めていない。
「リンは順調って言ってるけど……」
お兄さんという嫌な奴にお願いして、何やら僕と会う準備をしていると……
多分ストーカーされて以来、他人が怖くなっいるんだろう、そこで嫌いな人と付き合う事によって、人間嫌いを克服しようとしているんじゃないか? と僕は想像している。
「ある意味うちの妹より大変かもな~」
妹は男嫌いなだけ、僕が女の子みたいだから、制服を着るだけで平気で喋る。
「まだまし……なのか?」
そんな事を思っているうちにゲームが起動、リンはまだいない……でも最近不思議とほぼ同じタイミングでログインしてくるって、ほら来た!
『リン~~こん~~~』
『ルナ~~こん~~~』
『今日は早いね~~』
『うん、今日はカレーだったから、片付けはお皿だけだしね』
『へーーリンもカレーだったんだ、今日は僕もカレー食べたよ』
『偶然だねえ~~やっぱり私たち運命の赤い糸で結ばれてるんだね!』
『えへへへ、そうだね~~!!』
告白をして、リンも僕の事を好きって言って貰え、僕とリンはすっかり恋人気分になっていた、て言うかもう恋人だよね。
『順調?』
『えっと、うん順調かな?』
『そう』
『あ、そろそろ決めないとね』
『無理しなくていいよ』
『でももうすぐ夏休み始まっちゃう』
『始まっても1ヶ月くらいあるし』
『でも、1回だけじゃ嫌、出きれば何度も会いたい』
『そうだね~~』
『7月! 決めた7月中にルナに会う!!』
『本当!』
『うん!』
『やっったああああああああ』
『えへへへへ』
『ところでさ、そろそろ聞いてもいいかなって』
『え?』
『ほらもし遠い所だとチケット取ったり、お金の準備をしないと』
どこでも行くって言ったけど、正直海外まである、貯金は子供の頃から少しはしているけど……場所によっては足りない可能性も……
『あ、そうか言ってなかったね、えっとね一応東京だよ、ルナってどこに住んでるの、場合によってはどこかで待ち合わせみたいに』
『えええええええええ、僕も東京だよ、区内』
『本当に!!』
『うん、杉並』
『ええええええええええええええええええええ、私も』
『えええええええええええええええええええええええ』
『ひょっとして、私たちすれ違ってるかも!!(/≧◇≦\)』
『駅とか聞いていい? もちろん待ち伏せとかしないよ!!』
『うんルナならいいよ、えっとね阿佐ヶ谷って知ってる? よね』
『僕は鷺ノ宮だから、でも凄く近い、阿佐ヶ谷も全然行くし』
『えええ!! 私たち本当にすれ違ってるかもね、あ、でもすれ違ったらルナってわかるかも~~~』
『僕もリンだってわかる自信あるかも~~』
『だよねえええ』
『でも、本当にビックリ、リンっててっきり大阪のお嬢様かと思ってた』
『なんで大阪? 私関西弁とか使った事あらへんよ~~』
『そう言って乗ってくるのがなんか関西っぽいから~~乗り突っ込み?』
『あはははは、でも私もルナって芦屋のお坊っちゃまかと思ってたよ』
『なんでお坊っちゃま?』
『面白いし、格好いいし』
『僕普通の家の子なんだ、お金持ちじゃなくてごめんね(・ω・`*)』
『ううん、私だって普通の家の子だよ、それに仮にルナがどんな所に住んで、どんな家庭環境でも、私の気持ちは変わらないから』
『僕だって!!!』
『ルナ!』
『リン!!』
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僕とリンは凄く近い地域に住んでるのが分かった、もう偶然を通りこして運命としか……
リンに会いたい……会って直接話したい、もうすぐ、もうすぐリンに会える。
来週から夏休み、リンと会える日までもう1ヶ月を切っている、どうしよう……
僕はリンがどんな姿でも、愛せる自信がある……でもリンは僕を見てどう思うんだろうか……こんな女の子みたいな容姿の僕を見て……
会えると思った途端に、物凄い不安が僕を飲み込んだ……
リンは僕を見ても、愛してくれるんだろうか……
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