第4話
―― 国体論:2章の2、2章の3、2章の4、2章の5 ――
ちょっと引用します.
(P54)・・・象徴天皇を戴く制度が「国体」と呼ばれることは一般になく、それゆえ「国体」という言葉はほぼ死語となった・・・しかし、本当に「国体は死んだ」のか・・・筆者にとって、この問いが鋭く、また今日最重要のものとして突きつけられたのは・・・豊下楢彦の『安保条約の成立―吉田外交と天皇外交』(1996年)を読んだ時であった・・・昭和天皇が積極的にアメリカを「迎え入れた」最大の動機は、共産主義への恐怖と嫌悪であったと豊下は見る.東西対立が激化する中で、内外からの共産主義の浸透を防ぐ守護神として、昭和天皇はアメリカの軍事的プレゼンスを求めたのである・・・そして、戦後史はさらに奇妙なひねりを帯びることになる.当初、共産主義対策を意図した国体護持の手段であったはずの対米従属は、共産主義の脅威が消えてもなお生き延びた、というよりもむしろ強化されることとなった・・・
引用を終わります.
考えてみれば共産圏が崩壊したのが既に一世代前のことですねぇ、もう君主制と云うような時代じゃないですよねぇ.
本当の意味で「戦後レジームからの脱却」をすればいいと思いますよ、つまり共和制への移行という意味ですけどね.
でもそうなると、国民が本当の主権者になってしまうわけだから、それはそれでキャリア官僚が嫌がるだろうなぁ.彼等は国民の公僕になる気など更々無いのだからねぇ.たとえば基地問題に国民が主権者として口出しでもしようなら、きっと官僚はハラワタが煮えくり返るくらいに腹を立てるだろうねぇ.
東大卒のキャリア官僚が腹の中で考えている事は、戦前の帝大陸大海大卒のエリート官僚が主導するような国家体制を何が何でも維持することだと思います・・・官尊民卑・・・それを保証してくれるのが対米従属でしょう・・・そしてカジノでもダムでもリニアでも原発でも天下り放題の政策を実行するために必要なものが対米従属なのでしょう・・・そんな気がします.
(続く)
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