しょうかんのじゅもんがちがいます
暖かい風が頬を撫でては通り過ぎ、さらには鮮やかな色を醸し出す植物が芽を花開け、その香りがうっすらと漂わせてくる季節、いかがお過ごしでしょうか?
タカシです。
瞑想の結果に対して考える事を放棄した時、
『タカシ・・・タカシよ・・・聞こえますか?・・・』
という、ファンタジー系ならありふれていそうな定番なセリフと共に、女性の声が聞こえてきました。
どうやら
とりあえず、一方的かもしれない意思疎通は可能という事は確認できたので、現状の状況についての確認をしてみようと思いました。
話を聞くに、どうやらこの世界を管理している神様だそうで、自分の存在というものが、とある界隈では有名(?)になりつつあるそうです。
なんでも"偉大なる父によって遣わされる試練"という言葉で。
意味合いを濁していましたが、どう話を聞いても「厄介者」という雰囲気が拭えません。
そうして、自分たちが管理神が管理している世界を簡単に壊すイレギュラーな存在、それが自分という事で危険視・・・要注意対象・・・監視対象・・・と、種々様々な言い回しによる意味合いを伝えてきます。
とにもかくにも、自棄を起こしては世界を破壊されるのは勘弁してほしいので、そうなる前に接触しに来たという事だそうです。
この神様、オブラートに包むという事ができない神様かもしれません。
とにかく、大人しくしててほしいという事らしいのですが『現に二度、世界を壊していますし・・・大丈夫ですよね?』と、何度も尋ねられました。
二度?という事で何の事かと思い出してみるも、
そう思っていたら『あれで箱庭世界が一つ破壊されました・・・』と言われてしまい、何も言えなくなりました。
自分が知らないだけで、世界が崩壊していたみたいです。
そして、現在進行形で多数いる灰色の人の一人、粉砕した大陸担当の管理者が、直しているという事だそうです。
と、とりあえず、話を変えるべく"元の世界に戻りたい"事を伝えてみました。
"今の段階では元の世界に還す事が難しい"という形で言葉を濁してきました。
何でも、この世界に魔王という存在がいて、その存在がこの世界に干渉してしまって正確な元の世界に戻す行為を行おうとしても、座標干渉が発生してズレてしまう可能性があるため確実性が無いと。
それでも良ければ、すぐにでもこの世界から転送をと、すごく強くアピールしてきます。
どれだけ自分、厄介者なんでしょうか・・・
とりあえず、その魔王が討伐されるまではと言われますが、討伐できる力を持った勇者様が顕現する気配がないとか・・・
こういう場合、血筋とかそういうのでは?と思いましたが、そういう血筋はとうに潰えて、存在しないといわれました。
それならば、召喚の儀式で・・・さんざん行ってはみたが、反応が無いと。
そうして、何度目かでようやく反応があったと思えば、自分がよばれたと。
・・・もしかして、自分の存在が勇者召喚の邪魔をしていたのでは?と思考してしまったとたん、『アッ!ソレダ!!』という言葉が聞こえてきました。
とてもとても嫌な未来しか見える要素しかないと思いました。
敬具
追伸
本物の勇者様、召喚に応えてください
先程から代行を懇願されています
ほんと、自分を助けてください
('A`∩):アーアーキコエナイ、キコエナイッタラキコエナイ
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