少年期[931]それなら話は別
「ゼルート!!! あいつは私が仕留めても良いか!?」
「……今回はゲイルに譲ってやれ。ルウナはこの前楽しんだだろ」
「うぐっ……了解」
ボス戦が始まって早々、ルウナの戦闘欲が爆発しかけるが……先日クリスタルアリゲイツと戦ったため、リーダーは申し出を却下。
(にしても、ウォータードラゴン……ダンジョン産の魔物だからか、ラル相手でも躊躇なく襲い掛かるな。相当レベルが高い? でもレベルが高かったら俺たちもそれなりに本気を出さないと不味いし……単純に頭のネジが数本外れてるだけか)
ドラゴンは暴力の化身。
故に、ダンジョン産の魔物ともなれば、相手が格上のドラゴンであろうとも……異常で希少なリザードマンであっても躊躇することなく襲い掛かる。
(にしても、ダイドシャーク四体のボス戦もそれなりにやり辛さを感じたが、三十層のボス戦は……数段上だな。何かしらのやりようか優れた脚力がなきゃ水の上は走れないし……基本的にカウンターがメインの攻撃方法になりそうだな)
シーサーペントは主に海中を動き回り、小島で行動している挑戦者たちに遠距離攻撃をぶちかます。
もしくは、偶に全力で食べようとしてくることがある。
対して、ボス部屋の主であるウォータードラゴンは海中を泳ぐこともあるが、空中を飛ぶこともあるため、上下左右全方向から攻撃を仕掛けてくる。
(一応海中で戦りあったけど、がっつり体型がドラゴンなだけあって、動くたびに鬱陶しい……てか、なんでその体型でシーサーペントより速く泳げるんだよ……チートか?)
ウォータードラゴンも、ゼルートだけにチートやろうと呼ばれたくない。
そして約十分後、ある程度分析が終わり、リーダーから殺っても構わないという合図が出された。
「ふっふっふ……では、戦ろうか。ウォータードラゴンよ」
ゲイルは先程まで扱っていたロングソードを納刀。
明確な戦意をウォータードラゴンだけに向けたことで、相手も向けられた戦意に呼応し、泣く子が更にチビる殺意を飛ばす。
「はぁ~~~、私も戦りたかったな~」
「まだ今度にしなさい。ダンジョンのボス魔物なんだから、いつでも戦えるじゃない」
「……それもそうだな」
表情から若干不満が消えないまま、ルウナは海中を潜りながらシーサーペントを仕留める。
アレナも訓練気分で自ら海中に飛び込み、シーサーペントを挑発し、カウンターで刃をぶち込む。
「ハッハッハッ!!!! 良いぞ、そうだ!! もっと、もっと殺意を上げろぉおおおお!!!!!」
「ッ!!! ギィイィィィィイイヤアアアアアアアッ!!!!!!」
嘗められてることだけは解る。
更に闘争心が爆発し、部屋が揺れていると錯覚するほどの咆哮を上げて再度激突。
(……人間だったら、もっと知性があるドラゴンなら武器を納めて、既に状態で戦意を向けられたらもっとブチ切れるだろうな……まっ、それでも勝つのはゲイルなんだけどさ)
ガチンコバトルが始まってから五分後、ようやくゲイルとウォータードラゴンの戦闘が終了。
最後は雷を纏った手刀を叩きこみ、首が切断、
結果としてゲイルはほぼ無傷でBランクドラゴンとの戦闘を終えた。
「お疲れ、ゲイル。どうだ、久しぶりに満足出来たか?」
「えぇ、久しぶりに満足できるほど、良い戦いが出来ました」
「それは何よりだ。んじゃ、一旦戻るか」
三十層のボス魔物を討伐し、一行は普段と同じ方法で陸地へと速攻で戻った。
そして地上で飯を食べてぐっすり睡眠を取って英気を養った翌日、次は三十一階層だ!!! と気合を入れて宿から出ようとしたことで、ギルド職員に捕まった。
「是非ともゼルートさんたちに討伐してほしい魔物がいるんです!!!」
「……詳しく聞きましょう」
強い魔物の討伐依頼……それが頼みであれば、話は別だった。
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