少年期[657]とりあえず交代しながら

「……わぉ。でっかい牛さん……いや牛人か?」


「ホーリーミノタウロスね。ランクは当然Aよ」


白く輝く肉体を持つミノタウロス。

通常のミノタウロスはBランクだが、上位種にあたるホーリーミノタウロスのランクはA。


身体能力は全体的に上がり、手に持つ武器もいかつい。


(えっと……断光の斧。ランクは七か……うん、確かに複数のパーティーで挑んだ方が安全マージン取れるな)


あれこれ考えていると、ミノタウロスが雄叫びを上げながら襲い掛かる。


「ブモオオオオオォォォオオオオオオオッ!!!!!!!!」


「避けろ!!!」


ゼルートの言葉に従い、全員その場から飛んで斧による一撃を回避。

斧が叩きこまれた地面は罅割れが発生し、威力の高さを物語っている。


「おぉ~~~、流石Aランクの一撃だな。さて……まずは誰がいく?」


「私が行こう!!!!」


誰がボスの相手をするのか、それとも全員で戦うのかを決めていなかったので、一先ずパーティーメンバーに誰が全人を切るか尋ねる。


するとルウナが我先にと声を上げ、身体強化と脚力強化に加えて腕力強化を同時使用して殴り掛かる。


「せいッ!!!!」


「ッ!!!!」


ルウナのテレフォンパンチに合わせ、ミノタウロスも斧をスイングさせて迎撃。

空気を割るような衝撃音が生まれ……結果は引き分け。


「はっはっは!!!! 流石Aランクの魔物だ……心が躍るなっ!!!!」


「あらら、完全にスイッチ入ったよ」


ルウナの眼が完全に戦闘楽しむモードに入り、ギラギラと眼が燃えている。


「次は私が行こう」


先陣を切ったルウナの次は同じく戦闘楽しみたい系のゲイルが飛び出し、刃には既に雷の魔力を纏っていた。


「さぁ、同じく力比べといこうか」


「ブモォォォオオオオオオッ!!!!」


ゲイルが刃に纏う雷の恐ろしさを察し、即座に斧に光の魔力を纏うホーリーミノタウロス。

そしてパワーバッシュとブレイクアックスが衝突し、先程の激突よりも大きな衝突音がボス部屋に響き渡る。


(……音も威力もえげつないな。これ、冒険者になりたてのルーキーがこの場に立っていたら失神するんじゃないか?)


ゼルートがそう危惧する程、ゲイルとホーリーミノタウロスを中心として響き渡る衝撃と音は半端ではない。


「ははっ、やっぱりゲイルのパワーは侮れないな」


今回の激突はゲイルの勝利。

だが、ホーリーミノタウロスのブレイクアックスの威力も負けておらず、完全には押し切れなかった。


「Aランクの中でも中々の強者ですな。ルウナ殿と同じく血が滾る」


本戦、二人目が戦闘楽しむぜモードに突入。

しかし誰と誰が倒すと決めていないので、次のメンバーがホーリーミノタウロスに挑む。


「次は僕だよ! 楽しもうね!!!」


可愛い顔に可愛い声でなんとも戦闘凶発言をする希少種のスライム。


「あたたたたたたたたたたっ!!!!!!」


「ッ!!!???」


ラームは腕だけをスライム対に戻し、複数の触手で連続打撃をぶち込む。

一撃の威力はホーリーミノタウロスの方が上だが、手数と攻撃の速さはラームの方が断然上。


体を貫く様な鋭い一撃ではないが、徐々にダメージを蓄積させていく鈍い一撃が打ち込まれる。

反撃の機会を窺って防御に徹するが、ラームの連続パンチは全く途切れない。


(これってやっぱりあれだよな。どっからどう見てもゴム〇ムのガトリングを強化した感じだよな。本物と比べて威力はどうなのかしらないけど……これをやられたら大抵の奴は前に出れないよな)


現に、Aランクのホーリーミノタウロスが前に出れなない。

しかし一撃一撃が致命傷といえる攻撃ではないので、後ろに下がることもない。


「…………ブモォォオオオオッ!!!!」


ラームの連続パンチ……スライムガトリングを食らい続けてイライラが溜まり、咆哮を使用してラームの触手を弾き飛ばす。


そして脚を魔力で強化して走り出し、可愛い悪魔に向かって渾身の一撃を振り下ろした。

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