少年期[497]高値が付くかもしれない出品物
「ねぇ、ゼルート。別に悪獣の素材を売らないのは正解だと思うけど、他の魔物の素材ならオークションに出品しても良かったんじゃないの?」
今日はカジノに行かずに街の散策を楽しむことに決めたゼルート達。
そんな道中でふと頭に浮かんだことをアレナはゼルートに尋ねた。
「あぁーー……確かに、別にそれはアリだったかもしれないな。でも、ダブってるモンスターはせいぜいBランクの魔物だろ。それってオークションの規模にもよるだろうけど、あんまり盛り上がるような品じゃ無いんじゃないか?」
今のところダブりが無い魔物の素材や魔石に関しては取っておきたいゼルートは、前回の大乱戦で手に入れたAランク魔物の素材や魔石は売ろうと考えていない。
勿論アレナが倒した魔物の素材や魔石は大体ではあるが紙に記録を残しているので、アレナがその素材や魔石を売ってお金に変えたいというならゼルートはそれを止めない。
ただ、アレナはゼルートから毎月十分過ぎるほどのお金を渡されているので、基本的にお金に困ることは無い。
それはルウナも同じであり、今までゼルートにお金をもっと欲しいと頼んだことは無い。
「それもそうね。ただ、剥製なら結構な高値が付けられると思うわよ」
「剥製かぁ……まぁ、魔物によっては迫力があるからな」
「剥製だけじゃ無く、ドラゴンの生首とかを家に飾る貴族もいるわ。ただ、そっちは自分の家の者が倒さないとあまり飾る意味は無いらしいけど」
ドラゴンというのはやはり人間から見ても特別な存在であり、ある程度の強さを誇るモンスターならば家に剥製として飾る事で家の財力を示す一つとなるが、ドラゴンの頭部等は己が狩ってこそ意味があるという風潮がある。
(ドラゴン……ワイバーンは亜竜って扱いだから剥製としては価値があるかもしれないけど、首を飾るにはしょぼいか。ただ、ワイバーン以上のドラゴンってなると基本的にはBランク以上の扱い。それを単独で……もしくは
自分の家の兵力だけを使って狩ったなれば、家の実力を示せるか)
ドラゴンを狩れる力。それがどれほど他者に自分の実力を示すことが出来るのか。
それはゼルートも何となくだが分かっている。
ただ、どうせならドラゴンも剥製にすれば良いのではと思ってしまう。
(確かにドラゴンはどれも基本的に巨体だからある程度の大きさである家じゃないと飾れないかもしれないけど、それでも剥製にした方がより迫力があるのは間違いない)
それなのに何故首だけを飾るのかゼルートが疑問に思っていると、それにルウナが直ぐに気が付いた。
「ゼルート、もしかしてドラゴンも首だけでは無く剥製にして方が良いんじゃないかと思っているのか?」
「お、おう。だってやっぱり体全体が残っていた方が迫力があるのは間違いないだろ」
「まぁ……その考えは解かる。ただ、そもそもな話なんだが、ドラゴンをほぼ無傷で倒すという行為がどれほど難しいのか分かっているのか?」
「・・・・・・・・・・・・それもそうだな、すっかり忘れてた」
ドラゴンという最強種の強さ。Bランク帯のドラゴンでもその凶暴さは決して嘗めてはいけない。
亜竜呼ばれているワイバーンでさえ、その逆鱗に触れた者が無事で済む可能性は限りなく低い。
「自分なら出来るって顔をしてるわね。まっ、確かにゼルートなら手札が多くてそれを同時並行出来るのだから、無理な話では無いわね」
「別にそんな面をしてるとは思わないんだが……あまり傷を付けずに倒す方法は確かに無い訳ではない」
首を一刀両断、脳天を閃光の様な速さで貫く。
そして最も傷を与えない方法が窒息死。
ドラゴンの体を拘束し、水の球体で頭部を完全に覆って呼吸をさせない。
「流石ゼルートね。もしそんな指名依頼が来たら受けてみる?」
「……まぁ、報酬次第だな。うし、この店に入ってみるか」
ドラゴンを討伐する。それだけで冒険者としてはかなり名誉のある称号、ドラゴンスレイヤーを得られる。
しかしその称号にそこまで興味が無いゼルートはやはり称号よりも報酬内容が気にする部分であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます