少年期[412]どちらが強いのか?

オークとゴブリンの大軍を倒した話、とある貴族の依頼を受けてダンジョンに挑んだ話、Bランクの魔物を従えていた盗賊団を討伐した話、そして王都の冒険者学校から課外授業としてやって来た生徒の護衛をした話。


主にこの四つをゼルートはルミイルに話した。


「まだ冒険者になってから一年も経っていないというのに、随分と大きな冒険を幾つも乗り越えているんですね」


「そうですね。自分から踏み込んだ冒険もありますが、予想外な展開になった冒険もありますね。ただ、どれも充実感のある冒険だった言えます」


「それは何よりです。護衛していただいた冒険者の話では、冒険者になって数年は冒険をしてはならないと聞きましたが、ゼルートにそれは当てはまらなかったようですね」


「まぁ・・・・・・俺は幼い頃からよく冒険をしていたので、受けている刺激で言えばそこまで大差はないかもしれませんね」


ゼルートの過去は一般的な貴族の冒険者が過ごす幼少期ではない為、冒険に望む度胸と実力に関しては同じ冒険者い一年目の者よりも圧倒的に高い。


(過去の俺にとっては、ブラッソとの一戦でさえ冒険みたいなもんだったからな)


今はおそらく父親と毎日摸擬戦をしてるであろうオーガの亜種との日々も十分に刺激的なものと言える。


「やはりBランクに指定される魔物とは他の魔物と比べて一味違う強さを持っているのですか?」


「そうですね。先程も話しましたがオークキングに関してはまず人の言葉を話していました。これはゲイルが戦ったゴブリンキングに関しても同じです。ある程度ランクが上がれば知能も向上するのでしょう。オークキングはかなり流暢に喋っていました」


「高位のドラゴンが人の言葉を喋るという話は聞いた事がありますが、そうでない魔物も喋る事が出来るのですね」


「他の魔物に関してもその可能性は高いかと。そして習得しているスキルが多いため、自分が戦ったオークキングは土魔法を覚えており、それを応用して多彩な技を持っていました」


言う程多彩では無いのだが、ゼルートからすれば岩の破城槌や岩の鎧を土の魔力を応用して発動するという時点で、魔物にしてはかなり考えて行動に移し、完璧に扱えるようになったと感じた。


「岩の破城槌でしたっけ? やはりかなりの威力なのですね」


「岩には岩をと思って右腕に岩を纏ったのですが、相殺出来たものの見事に砕け散りましたからね。中々の強敵でした」


「ふふふ、是非その戦いを生で見てみたかったです。それでは盗賊団が従えていた魔物もお強かったのですよね。どちらの方が強いのですか?」


サーベルタイガーだと思っていたらサーロングタイガーに進化していた件を聞き、ルミイルとしては同じランクの魔物同士、どちらが強いのか気になった。


「サーロングと戦ったのは自分ではありませんからね。ここにいる面子も戦っていませんでしたが、確かルウナはその場に居たよな?」


「ああ。サーロングタイガーと戦ったのはゲイルだ。勿論その戦いは一つも見逃さないように見ていた。あの連撃はまるで小さな嵐のようだった。そして足に雷を纏うといった技も含めて強いのは間違いない。ただ、進化してから間もないという事を考えれば、オークキングの方が強いかもしれない」


「その戦いも是非見たかったと思える一戦ですね。ただ従魔にするならそのサーロングタイガーという魔物の方が良さそうですね。背に乗って風と一つになってみたいです」


貴族、王族の嗜みとして乗馬を行う機会はあるが、安全面を考慮して脚が速い馬には乗る事が無いため、ルミイルは脚の速い四足方向の魔物の背に乗るのが怖さもあるが、憧れている面もある。


「は、ははは。中々活発的な考えですね。その辺りは陛下や周囲の方々に相談してみてください」


「難しですが、言ってみない事には始まりませんし、頑張ってみます!!!」


(王様が聞いたら卒倒しそうだなぁ・・・・・・でも、娘の傍に実力の高い従魔がいれば安全面がますと考えて協力的になるか?)


自分が親なら安全面をガチガチに固めるなら許可するだろうなと思ったゼルートだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る