少年期[214]ズレは良くないよな

ゼルート達が二十一層に到達してから七日が経っていた。


到達階層は二十四階層まで進んでおり、攻略のペースは順調だった。

だが、セフィーレの意向で遭遇した魔物の相手の半分をセフィーレ達が相手をすることになっており、ゼルート達は苦戦はしていないがソブル達はそうもいかなかった。


オーク、コボルトの上位種、ゴブリンに至っては剣を持ちながら、魔法もほんの少し使える奴がいた。

そしてダンジョンに潜ってから初めて遭遇したゴーレム、スピードは見た通り遅いが、攻撃が魔力を纏っていないとセフィーレ以外の物理攻撃があまり効かず、そこそこ苦戦していた。


そしてブラウンウルフの上位種とその群れも、セフィーレ達を思いの外苦しめた。

ブラウンウルフの上位種のスキル、統率によりブラウンウルフ達のステータスが一割ほど上がり、その一割がソブル達を苦戦に追い込んだ。


ダンジョンの下層と言う事もあってルウナとゼルートが戦ったオーク同様レベルが高く、ダンジョンの中で生まれてからそこそこ時間が経っているのか、戦い慣れてもいる。

勿論本当に致命傷になりそうな攻撃は、ゼルートがブレットを放ち軌道をずらし、床を一部だけ凍らせて滑らせたりなどして防いでいる。


そして、これもダンジョンの下層のおかげなのか、あまり魔物が倒されていないのか、一階層から二十階層までの魔物との遭遇率が高くなっていた。


そのおかげでゼルートのポーションのおかげで体力と魔力は何とかなっているが、精神面はそうもいかなかった。

だが、自分達と同等の実力を持っている相手と連戦したことでレベルが上がりステータスも上がったことで、実力も上がってきている。


だが、そんな五人・・・・・・正確には四人の表情を見て、ゼルートは少し良くないかなと思っていた。


(明らかに精神面がやられているな。一応ご飯は三食しっかりと食べているし、睡眠はとっているんだけどな。でも、レベルが上がってステータスが上がったとしても、そこまで実力が開くわけでもないし、油断したら死ぬ。俺達みたいに余裕をもって戦うことは、難しいかもしれないな。それに、ステータスが数日の間に思ったより上がったことで、動きが可笑しくなってると言うか・・・・・・ずれてるっていうのか? なんか戦ってる時に力を持て余してる、っていう様に見えなくもないからな・・・・・・三十階層のボスに挑む前に、摸擬戦とかしてもらって完全に自分の力を把握してもらった方が良さそうだな)


「ゼルート、カネルさん達は確かに自分と同等の実力を持ってる相手と連戦したことで、ステータスは上がっているけど、あまり良くはない状況よ。色々と」


アレナはゼルートと同じことを考えており、リーダーで主のゼルートに考えがあるのかを聞く。


「そうだな・・・・・・とりあえず、最下層に行くまでは今のままで行く。ただ、ペースが少し遅くなるかもしれないけど、休憩の時間をしっかりと取った方が良いな。俺が作ったポーションで体力は元に戻るけど、疲れは消えないからな。帰ったらそこら辺を調べてみるのもいいかもな」


「・・・・・・ゼルートなら作れてしまいそうね。って話が逸れてるわ。疲れに関してはそれでいいとして、自分自身の力の調整、把握はどうするの?」


「どうってな・・・・・・そこら辺はいまいちどうすればいいか分からないからな。三十階層のボスに挑む前に摸擬戦でもして、ズレを直してもらうしかないだろ」


ゼルートの答えを聞いてアレナは他に何かないかと考えたが、結局同じ考えに至った。


「それしかなさそうね。ところで、そろそろ今日の行進は終わりにした方がいいんじゃない?」


「・・・・・・そうだな。腹も減って来たし」


「全く、あなた基準で考えないの」


それもそうだなと笑いながら、ゼルートはセフィーレに、今日の行進はここまでにしないかと伝えた。


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