第三話〜マスターシーン2〜

 時間は先ほどのシーンの直後。微かな明かりだけが灯る仄暗い室内。

 そこへ、虚空からプランナーが現れ、目前で跪く二人の若者に言葉をかける。


プランナー:「ディアボロス。あなたに"プラン"を提示します。UGNのエースエージェントとその副官を秘密裏に監視して下さい。そして彼らを──」


 プランナーが言葉を終えると、静かに青年は退室した。


記録者:「これで、"プラン"の前提が揃うわけですね。"記録者"としてのプライドが高まります。では……」


 彼もまた、その部屋を後にする。

 プランナーは椅子の背もたれへと一人身体を預け、呟く。


プランナー:「頑張ってね、結理君、春見ちゃん、桃矢君。それから──ごめんね」


 その言葉は誰に届くこともなく宙に消え、彼女は静かに瞼を閉じた。

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