第二話〜ミドル5(3)〜

GM:さて、別行動している影裏には、街を走って千夏を探しながら、15年前の事件についての情報を思い出してもらおう。一風変わっているが、情報収集だ。ただし、判定に失敗した場合、自身のトラウマにぶつかったとしてHPを1D点削ってもらうから。

春見:ヒェッ。

影裏:トラウマ(物理)

GM:物理ではないが、まあいっか(笑)

 というわけで、情報項目開示だ!


 情報項目:薬島 陸による15年前の事件について

 技能:意志

 難易度 9


影裏:意志か、珍しい技能だ。だが私ならいけるはず!


 その言葉通り、影裏は達成値20もの数字を叩き出す。メンタル強いな!


影裏:トラウマ? 知りませんな。

GM:なんだよー、トラウマ(物理)でリザレクトとか見てみたかったのに(笑)

影裏:嫌すぎる!(笑)

GM:冗談は置いといて、情報開示だ!


 情報:薬島 陸による15年前の事件について

 15年前、《雨夜の殺人鬼》として世間を騒がせた連続通り魔殺人事件。

 犯行は常に雨の夜に行われ、発見された遺体は必ず体のどこかが切り落とされていた。

 被害者は9人。犯行順に、「加賀 美弥」「佐崎 進」「佐崎 円」「遠藤 千秋」「香坂 恵子」「香坂 愛」「笠凪 順」「影裏 理」「影裏 結祈」が犠牲となった。

 最後の犯行で通行人に目撃され悲鳴が上がり、子供を一人残して逃走。その後何者かと争い失神しているところを警察が発見、逮捕された。

 彼が誰と争ったのかは取り調べの際も黙秘しており、警察には仲間がいたのではないかと疑われていた。そのため死刑判決が決まってからも長く収容所に捕らえられていた。

 当時の本人曰く、「知らない奴にやられた」とのこと。決まって言い辛そうに話すため、何かを隠している、との見方が強い。

 だが、いずれにせよ真相は謎のままである。



 影裏は、千夏が普段行きそうな場所を探し続けるも、その姿を捉えることはできなかった。ついには日も暮れ、なおもその姿を追い続けていた。


影裏:「……くそっ、どこに行ったんだ、遠藤のやつ……!」

 宛てもないまま、街中を走り続ける。そんな影裏の脳裏に、ある予感が去来する。

「……まさか、あいつ!」

 監視対象になっている廃ビルへ向かって走り出す!


 廃ビルに向かう影裏だが、世界が暗転するような感覚──ワーディングに見舞われる!


影裏:「っ……!」


GM:というところで、場面を一旦春見に戻そう。

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