第二話〜オープニング(2)〜
GM:影裏、春見、千夏の三人はUGN日本支部長室へとやってきた。その飾り気のない簡素な部屋で日本支部長、轟木 源十郎が難しい顔で椅子に座っている。
その傍らには秘書のように霧谷 雄吾(19歳)が資料を片手に立つ。
春見:おお、霧谷さん若い!
影裏:ショタ谷さん改め、若谷さんやね。いい感じだ。
春見:5年の月日を感じるなぁ。
PLからの反応も上々で、正直嬉しい。隣に座るえるみんも「若い! なんか活動的に見えるー!」と、にこにこ顔だ。やったぜ。
影裏:「失礼します。エージェント、影裏 結理」
春見:「同じく副官、佐倉 春見」
千夏:「同、副官補佐。遠藤 千夏」
三人:「「「出頭しました」」」
轟木:「来てくれたか、影裏少年、佐倉少女、遠藤少女。今は時間が惜しい。霧谷少年、さっそく説明を頼む」
霧谷は一歩前へ進み出ると、説明を始める。
霧谷:「はい。今しがた入った情報によると、FHによって死刑囚が収容された施設が襲撃されたようです。そして死刑囚6名が拉致されました」
春見:「拉致……」
影裏:「ずいぶん持っていかれたな。……オーヴァード相手なら無理もないか」
霧谷:「襲撃したセルは"マトリクス"セル。主にオーヴァードへの覚醒を促すことを目的としたセルのようです」
春見:「……なるほど。放っておくと厄介なことになりそうですね」
影裏:「それで、俺たちへのオーダーは?」
霧谷:「FHセル、"マトリクス"の破壊と、拉致された死刑囚の保護をお願いします」
影裏:「拉致された死刑囚がオーヴァード化し、なおかつ抵抗の意志を見せた場合は?」
霧谷は顔を強張らせ、しかし躊躇うことなく言葉を続ける。
霧谷:「その場合は無力化、あるいは"処理"してください。細かくは現場の判断に委ねます」
春見:「FHセルのメンバーについても"処理"……でいいんですね?」
霧谷:「はい。……そのようにしてください。また、こちらが拉致された死刑囚の名簿です」
影裏:手渡された名簿をチェックだ!
春見:同じく目を通す。
GM:名簿に記された名前のほとんどが過去に逮捕され死刑囚となった人間だ。そして、その中には先ほどニュースで取り上げられていた薬島 陸(やくしま りく)の名前もある。
影裏:「……っ!」
目をわずかに見開く。
春見:「これ、さっきのニュースの……」
轟木:「薬島 陸死刑囚は元連続殺人犯だ。他の者もなんらかの理由で人を殺めている。三人とも、決して油断するなよ」
千夏:「…………」
影裏:「……死刑判決を受けるような連中ですからね。肝に銘じます」
春見:「了解しました」
霧谷:「以上が、こちらから渡せる情報の全てです。足りない情報は、申し訳ありませんが皆さんで集めてください」
影裏:「……さっそく調査に入るぞ。春見、遠藤、よろしく頼む」
春見:「うん、結理君」
千夏:「……はい!」
轟木:「頼んだぞ、影裏少年、佐倉少女、遠藤少女」
影裏:「了解。……任務開始だ」
目つきが鋭く変わる。
春見:「……」
千夏:「(必ず──!)」
GM:襲撃により拉致された死刑囚たち。その安否は、彼らの双肩に託された──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます