第二話「揺れる心」

第二話〜まえがき〜

えるみん:ねーねーだみー、次のセッションまだー?


 仕事の支度をしているのが見えていないのか双子の片割れこと、えるみんが話しかけてくる。まるで子供がおもちゃをねだるような調子だ。


だみ:いや、それがさ、イマイチ自分が考えてる構想に自信が持てなくてな。

えるみん:えー! 楽しみにしてるのにー!

だみ:いやだってさ。レネゲイド拡散直後の日本っていう舞台があるにも関わらずだよ? 次のセッションは年単位で時間を動かした後の予定だしさぁ。


 実際、リプレイを書いている今でも不安だ。2話が数年後からスタートするのが本当に正解なのか、ずっと気がかりになっている。


えるみん:でもさー? 数年後ってことは影裏君も春見ちゃんも実戦経験を積んでるんでしょ? なのに描かれないってことは"その間周囲の状況があんまり変わらなかった"ってことだよね。それってさ──、

 どうして佐倉家の人達は秘密を明かさなかったのか、とか、あれから二人はどう成長したのかな、とか。見どころはちゃんとあると思うよ!


 私はその言葉を聞いて、スマホを操作する。PL二人にメールを打つためだ。文面はずばり、


「二人とも。次のセッションの予定立てよう。次のシナリオは──5年後だ」

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