裏の裏をかかれたアメリカ政府

      バージニア州 AMISA本部 二〇一五年六月一三日 午後六時〇〇分

 アメリカを震撼させた【ルティア計画】の首謀者が殺害され、思わぬ結果を迎えた香澄たち。調査から半日後が経過し、シンシアとモニカらは近くの精神病棟へ身柄を移され精密検査を受けている。するとルティア夫妻が残した資料通り、彼女たちからは常人ではありえない、多数の神経伝達物質が検出される。

 その後もAMISA・FBIに協力的な姿勢を見せるシンシアとモニカのおかげで、香澄たちが追っていた事件の調査も幕を下ろそうとしていた。


 だが捜査に協力した香澄とジェニファーをはじめ、AMISA職員のフローラ・FBI捜査官のダグラスとレベッカたちは、シンシアとモニカたちの真意を知る由もなかった。それどころか、“これで【ルティア計画】に関する事件も終わった”と香澄たちは思っている。

 そんな香澄たちの心理までも計算の内なのか、素直に身柄を拘束されたシンシアとモニカの両名は、時折不敵な笑みを浮かべている。

 またAMISA・FBIら連邦組織は、これがまさか【新・ルティア計画】を進める上における重要な過程だとは夢にも思っていない。そしてこの事件の真の黒幕が『ルティアNO.Ⅰ・NO.Ⅱ・NO.Ⅳ』であるとは、想像もしないだろう。


 果たしてこの先何人犠牲者が出るのだろうか? そして香澄たちはこの先、シンシア・モニカ・『ルティアNO.Ⅳ』の陰謀を食い止めることが出来るのか?

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