第7話

「いふぁい(痛い)・・・」


「辛く無かったけど・・・」


 ────何となく便乗しただけだったから


「うほえひょ?(嘘でしょ?)」


「いや、本当に。」


 デマソースだからかな・・・?


 ちょっとピリッとしたくらいだったし。


 ラー油の味がしたけど・・・


 ────ラー油!


「お前、ラー油と間違えたんじゃないか?」


「え?」


 大きな瓶を取り出した涼葉。その瓶には大きな字で、「ラー油」と書かれていた。


「ラー油・・・!」


 涼葉は辛いものが少しでも入っていると死ぬほど辛がる。


 ────七味ですらダメだからな。


 彼女曰く、ラー油一滴で全ての味が分からなくなるらしい。


 ────全くわからないが。


 一滴で全ての味がわからなくなるほどになるか?


「はい、ジュース買ってきたぞ。」


「あいあおう(ありがとう)」


 ────だんだんわかんなくなって来たな。


「あふいっ!」


「だって、寒いからな。」


 分かっている。辛いものを食べた時に熱い飲み物を飲むと、辛さが増加するからな。


「あううあい!」


 寒くないって言いたいのだろう?


「おおええおいああいお?(覚えておきなさいよ?)」


 ────この後はどうすれば、こいつを懲らしめられるかな?


 ────そろそろ帰ってもいいか。日没間近だし。


「涼葉・・・」


 いない────


 ────涼葉?


 近くに隠れてるんだろう。またいたずらでもする気なのだろうと思った。


「あっ!」


「やっぱりな。イタズラしたから、帰るぞ。」


「えー」


 ────もう構ってやるもんか。


「というより、そろそろ大丈夫じゃないか?」


「え?何が?」


「口。」


「あー、本当だ。」


 ようやく辛さが治まったようである。


 ────遅すぎるだろ。どんだけ待たせる気だよ。


「遊園地行きたい!」


「また今度な。」


「絶対?」


「あぁ、絶対だ。」


「分かった。」


 ようやく帰る決心がついたようだ。


「観覧車のろ!」


「はぁー!?」


 ────何考えてんだこいつは。


「時々キャラ崩壊するよね。」


「キャラ作りなんてしてないからいいんだ!」


「君ってそうゆうキャラなんだ?」


「あーはいはい、そうだね~。」


 ────めんどくせぇ。


「とりあえず、観覧車行くよ!」


 俺はどんだけ付き合わされるんだと何度も思うのだろうな・・・


「わぁー!」


 ────長い!


 観覧車ってこんなに長い乗り物だったっけ?


 仮にも女子の涼葉とふたりきり・・・


 ────意識しちゃうじゃん!


 だって仕方ないじゃん。健常な学生なら、みんなそうでしょ?


「はぁー。綺麗だったね!」


「あ、あぁ。」


 ────緊張して全く景色、見てなかった。


「今日はありがとうね。」


「え?」


「もう言わない!」


「「ありがとう」って言ったんだろ?」


「ち、違うわよ!」


「当たりだね。」


「むぅ~!違うもん!」


 ────仕返し成功!


「あーはいはい。とりあえず、帰るぞ。」


「違うからね!」


 ようやく帰れる俺たちだった。


 家がどうなっているかは後々のお楽しみ♪

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