転生した薙刀少女の使命はロリ神様のパシリでした。
イソフラボンボン
少し長めのプロローグ 転生初日。
0ー1 どうやら私は死んでしまったようです。
私、
多くの人が『次の瞬間に自分は死ぬかもしれない』なんて考えて行動していないように、私も流れてゆく時間を気にも留めずに暮らしていた。
さて、何が起きたかといえば、私にとって中学最後の薙刀の全国大会が行われる会場へ向かう途中、偶然運転を誤ったであろう自動車が猛スピードでこちらに突っ込んできた、ただそれだけだ。
我ながらなんともあっけない最期である。
つい最近、学校で開かれた講演会でお偉いさんっぽい人が言っていた『人生の主人公は自分だ』って言葉をふと思い出して、苦笑する。
やはり主人公補正なんてラノベとかアニメの世界にしかないようだ。
今の私には間違いなく死が近づいているというのに、やけに思考はクリアで、今までに自身が歩んできた14年ちょっとの人生における、少ないようで多い様々な記憶を鮮明に思い返すことさえも容易だった。
あぁ、これが走馬灯ってやつなのかな。
楽しかった学校や、私のことを大切に育ててくれた家族のことだけではない。
薙刀を己の手で初めて握った思い出。
初めて大会で優勝した思い出。
そこでできた最高の
どれも忘れ難い思い出ばかりだ。
だが、私はそこまで生に執着することができなかった。いや、しようと思わなかった。
両親が常日頃から『後悔のない様に毎日を生きろ』と口をすっぱくして言ってたせいで、幸い(?)にも自身の人生に未練という未練を残さずに済んだのかもしれない。
とは言っても、死んでもいいやなんて、とんだ親不孝者だなぁ。それに実質的に勝ち逃げなんてことをされたらきっとあの子も怒るだろうし。せめて最後に…
今更ながらにぽつりぽつりと湧いてきた後悔を胸に抱きながら、まるで深い海に沈んでいくかのように、徐々に私の意識は遠のいていった。
―――――その時、
「おぉ!こんなところに…がい…ない」
誰?
幼い女の子、それも知らない子の声音。
でももう、何を言っているかもよく聞き取れない。
「あなた、私の…をしない?…二度目の人生を…」
二度目の人生?
もしそんなものが本当にあるならきっとそれは楽しいんだろうなぁ。
うん、よし。
「――、――。」
こんな状況では自分の声が相手に届いているのかどうかすら怪しかったが、私は残る力を振り絞って自分の意を告げた。
そしてそれが、私の人生において最後の記憶となった。
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