序章

 熱帯夜。じめじめとした日本特有の眠れない夜。虫が鳴く。生命は活動する。

 光った。突然のことだった。空に一筋の光が現れた。それは真っすぐ丘に向かって落ちて行く。空気を切り裂き鋭い音を立てながら、その光は彗星の如く丘に吸い寄せられる。

 落ちた。燃えた。丘は火に包まれる。眠れなかった人々が目をこすりながら写真を撮る。次の日のニュースにはこう書かれる。

 『裏山にUFOが落ちた』

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