ONE NIGHT FEVER

渡馬桜丸

【登場人物】

・マーロウ・ジョン・フィーバー…カジノ『エッグノッグ・ブルー』の元ディーラー。解雇通告を受けた二年後の現在、他所のカジノに勤めている。優秀だが、バロットに大敗したことがトラウマになっている。

・ショーン・フェニックス…バロットの実兄。美青年。刑務所から出たばかり。

・スイーツ・ホットスプリング…『エッグノッグ・ブルー』でのマーロウの元同僚。あけすけ。ブロンドの美女で、マーロウと肉体関係を持つ。ドクターの内部情報提供者でもあった（弁護士事務所に勤める叔母からの紹介）。

・ルーン＝バロット…ある目的のため、結果的にマーロウをどん底へと叩き落とした少女。

【舞台設定】

『マルドゥック・アノニマス』本編開始の少し前。ショーンが出所した直後。

【梗概】

カジノ『エッグノッグ・ブルー』勤めだった頃の同僚と寝たことをきっかけに、二年前のトラウマを夢に見たマーロウ。日が経っても、鬱屈した思いを拭えない。発散すべく乾いた関係を求め、男娼を漁りに行く。そこで出逢った美しい青年、ショーン。すっかりショーンに心奪われたマーロウは、ベッドの中で彼を口説く。しかし返ってきたのは、辛辣な罵詈雑言だった。マーロウは我慢できず、暴力を振るう。そして無理やり相手を屈服させる未経験の快感に呑まれ、ショーンを一晩中、激しくいたぶった。

翌日、心地よさと罪悪感に包まれうごけないマーロウは、ひとりベッドで涙する。対してショーンはホテルを出ると、カラッとした様子でかかってきた電話に出るのだった。