第16話 日常が変わりました。



僕はどう返答すればわからなかった…

でも確かなのは、僕は早川さんのことを可愛いと思ってるし、付き合えるのなら絶対付き合いたい。だから僕は…

「僕も早川さんのことが、好きだ。

だから付き合ってください。」


その言葉を言った後何故か僕は水野あかりのが脳裏をよぎった。


「本当!嬉しい!!良かった…」

彼女は本当に嬉しそうな顔をしていた。

夕日に照らされていているせいか彼女はとても輝いて見えた。


「これからよろしくね!翔君!!」

満面の笑みで言った。

「うん。こちらこそよろしく。早…凪」


太陽が落ち始め空が暗くなり始めたので僕たちは屋上から出た。



本当にこれで良かったのか僕にはわからなかった…






文化祭も終わり、いつも通りの日常になるかと思いきや、僕の前までの日常は無くなった。


まず変わった点その1

いつのまにか早川さんと付き合っていることが広まっており、ますます一部のクラスの男子から本格的に嫌われ始めた。

まぁ学年1のアイドルをこんな平凡な男子が付き合うことになったら、自分に自信があるパリピ系男子は俺の方がいいだろうと、僕に逆恨みしてくるだろう。

結果悪い意味で目立つようになった。


変わった点その2

僕のボッチ飯が無くなった。

理由は2つ、

1つ目は早川さんと二人きりで食べることがあるからだ。早川さんと付き合っているのがバレたのでお互い堂々としていようということでお昼はたまに一緒に食べる。

2つ目はラジカセを落とした男の子名前は黒沼君と言うらしい。その子が僕と一緒に食べることになったからだ。

その子は僕に助けてもらったからなのか、文化祭終わってから仲良くしてくれる。

僕にとってもこれはとても嬉しいことでボッチ飯が回避できるようになった。



このように文化祭が終わってから僕の日常は変わった。



そして文化祭が終わったクラスは受験シーズンに突入した。


僕は推薦で大学がほぼ決まったので、あとは卒業するだけだ。ちなみに早川さんも成績優良者なので推薦で僕と学部は違うが同じ大学に行くことが決まっている。


なのでお互い卒業しても会えるねと嬉しそうに早川さんに言われた。

その時僕は「うん」としか言えなかったが、内心は猛烈に嬉しかった。



文化祭から1カ月たち10月になり、帰りは早川さんと帰ることが多くなった。

帰り道 早川さんと一ヶ月記念でデートを行く約束をした。


家に帰り、夕食の時間になったので一階のリビングで夕食を食べていると父から「夕食が終わったあと話があるからリビングにいなさい」と言われた。


言われた通り夕食を食べ終わったあと、父がぼくに話しかけてきた。


「お前が今度出ようとしてる東関東コンクールは予選があるのは知っているな」


「うん、知っているよ。11月の下旬に確かあるよね。」


「そうだ、そして私がその特別審査員になった。」

父は驚くべきことを言った。


「だから、そこで翔お前が優勝又は入賞できなかったら、お前にはピアニストを辞めてもらう。」


「は、何言ってんだよ!なんでそうなる!」


「お前には小さい頃からチャンスを何回もやった。前回のコンクールだってチャンスをやった。だが結果を残すどころか失格。こんな結果を出させるためにお前にコンクールにでていいといったわけじゃない」


その通りだが、反論せずにはいられなかった。

「コンクールだって結果が全てじゃないだろ!」


「それは今まで結果をある程度出した奴が言っていいセリフだ。一度を結果を出してないお前が言ってもただの言い訳にしか聞こえない。」


「次のコンクール、翔お前のピアノに対する覚悟を見してもらう。そこで結果が出なかったら、お前を二度とコンクールには出させない。」


それだけを父は言いリビングから出た。



ぼくはどうすればいいのかな…

そんな時後ろから妹の美菜が来た。


「かっこいいとこ又見してよ。お兄ならできるよ」


「入賞だぞ。今まで僕が出来たことなかったことが出来るわけないだろ。」


「でも結局東関東コンクールの本選に出るなら最低でも入賞しなきゃダメじゃん。

それにあの時のお兄の演奏ができれば必ず入賞出来るよ。いつもお兄に厳しい私が言うんだもん!!大丈夫だよ!」


ダメな兄を励ましてくれる。

何だかんだ言っていい妹だなと思った。

これ以上妹にダメなところを見したくなかった。



「そうだね、頑張るよ。美菜にいいとこ見せれるように。それに彼女との約束もあるしね。」


ぼくは振り切れた気がした。


早速ピアノがある部屋に行き練習することにした。





そして早川さんとのデートの日になった。《《》》












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