第2話
いくらなんでもそんなはずはない。
見間違いだ。
そう思い、もう一度見直してみたが、やはり右腕がないように見える。
半そで男が立ち止まり、右後方を見た。
つられて見てみると、そこには人間の右腕にしか見えないものが転がっていた。
「ええっ!」
男はおもわず声が出そうになったが、半そで男のほうが先に大きな声を出したので、出しそびれてしまった。
「えっ、なんで、なんで?」
半そで男は左手で自分の右手を拾い上げ、固まったまま凝視している。
やはりどうみても、落ちた右腕を拾ってみていると言う構図にしか見えない。
――それにしても……。
男は思った。
痛くないのだろうか。
半そで男は有り余るほどの驚愕のオーラをその身体全体から発してはいたが、痛がっているという空気はまるで漂っていなかった。
男が戸惑いながらも半そで男を見ていると。
「次は首」
唐突に声がした。
男にはそれは幼い少女の声に聞こえた。
慌てて周りを見渡したが、少女に似つかわしくないこんな時間のこんな場所に、やはり少女の姿はなかった。
半そで男にも声が聞こえたのか、男と同じように周りを見渡した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます