第17話 本屋さん 明正堂
お小遣いをもらう前から、通っていた本屋さんがある。明正堂だ。親に買ってもらった幼稚園や小学1年生からはじまる。お小遣いをもらってからは、マンガやマンガ雑誌をガンガン買っていた。その他にもNHKのラジオ講座、百万人の英語、岩波文庫、辞書、参考書、問題集、小説など、たくさんの様々な本が手に入ったのだ。ああ、懐かしすぎる!
あちこちに店舗があり、用向きによって買う店舗をかえていた。雑誌なら一番近所の店、マンガなら表通りではない店舗で、など。
岩波文庫などは、ぶーぶー紙でくるまれていて、100円以下の本が手に入ったのだ。
マンガも充実しているので、一番自宅から近い店舗になければ、別のところにいけばたいてい手に入った。
参考書はなかなか選べず、あれこれ見ていても怒られなかった。参考書を見てるだけでも勉強になった。
そう、実家にいたころはすごくお世話になった。本は紙にカバーをかけてもらったりもできるし、しおりもくれた。マンガなんかは、兄をまねて、トレーシングべーパーで自分でカバーしたので、もらわなかったが。
そばの店舗が移転したので、実家に行ったついでに、新しい店舗に行ってみた。駅の中のようなところなので、人も多かったが、行ってびっくり。色々な作家さんのサイン本がやたらと置いてあった。私はたまたまツイッターで見た、本の広告塔を見たいという目的もあったのだが、本当にびっくりした。そして、上野という立地からか、美術の本も充実していた。もちろんマンガも相変わらずあってうれしかった。
棚を見ていたら、よく読む作家さんの文庫本のサイン入りのものがあった。勉強不足でそのシリーズを知らなかったため、その方のサイン本を並べていた店員さんにその本が1巻目かとどうかうかがったら、1巻目だった。そして、作家さんがいらっしゃるというので、サインしてもらおうかと思ったが、サイン本なので、写真を撮ってもらうことにした。当然のようにシャッターをお願いしてしまった。失礼だったかしらと思い、店員さんに思わず子どものころから買ってます!とお伝えした。店員さんの方がずーっと若かったが。何言ってるのだろうか?と戸惑われたことと思うと、反省している。でも、店員さんも一緒に写ってもらえたら、死ぬまでこの日の偶然の感動を忘れなかったのではないかと、今、ちょっともったいないことをしたと思った。そして、作家さんに色々お話をきけばよかったのだが、嬉しさのあまりテンパっしまい、そのまま喜んで会計に向かった!
そう、このお店に行ったもう一つの理由は、パンダのバッチを買うためだった。悩んだ末、ビンバッチにしたが、次回は缶バッチを買おうと思う。これからも実家によるたびに、寄ってかなくちゃ!と思った。
おぼえている景色 御徒町組 @goodhead
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