猫も猫又も猫のうち
あまめ
第1話 日常の中に非日常
真夏の暑い昼。青年は炎天下に負けまいと、普段からのランニングに励んでいた。青年はいつも家から数キロ離れた公園を目途に休憩をとる。休憩を挟んだ後、公園から家に向かって走るのが、彼のお決まりのコースだった。
いつも通り、公園で一服とばかりに飲み物を買う。塩分補給もできるスポドリ片手に公園を眺めていた。
いつも通りの時間、いつも通り公園で遊んでいる子供たちと、それを見守る母親たち、いつも通りの風景だ。
そう、いつも通り。いつも通り......?
青年は目を疑った。いつも通りでない風景に驚いたのだ。その風景の中に、何かが、そこにいる。そう、"何か"がそこにはいた。
人のものとは異なる猫のような、"獣の耳"をもった何かがいた。若い女の風貌のそれは、こちらが見ていることに気が付くと、興味深いものを見つけたかのような目をしたかと思えば、こちらに悠然とした足取りで向かってきた。
そして青年の前で立ち止まり、こちらを、獣のような目でキッと睨み、すぐにまた元の興味深そうな視線を当ててくるのだった。
そしてそれは言った。
「喜べ」と。
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