ロングスリーパー

市橋ねむみ

帰宅


その日、乃田のだの帰りはとても遅かった。

キッチンテーブルには弁当と味噌汁が置いてあったが、無視して冷蔵庫からヨーグルトを取り出し、コーヒーを淹れたらさっさと自室へ行ってしまった。



ぼーっと映画を見続けているかと思えば、 本を読み始めたり煙草を吸いに出て行ったりと、やたらに落ち着きが無くイライラしている様子だった。 こういう時に限って友人らは既読が付かず、結局ツイッターに愚痴を吐いて煙草を吸いに出て行ってしまった。



乃田は帰ってくると真っ先にトイレへ向かい、しばらく出てこなかった。

トイレが終わると 玄関を無表情で見つめ、「寝よ」と消え入りそうな声で言った後自室へ戻っていった。



僕は乃田が怖かった。

僕は起きていなくちゃ。


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