第36話 オタクの4コママンガ
「ふぅ~読了読了」
そう言いながらボクは読んでいたマンガを
閉じて机の端に置く。
ボクが読んでいたものは【4コママンガ】だ。
子供の頃からずっと読んでいるジャンルで
その内容はゲームを元にしたものやエッセイ
オリジナルのものなど往々にして様々だ。
子供の頃から慣れ親しんだマンガ作品は
いつの間にかまたすぐに読み直したりするなど
自分の今を形作った要素の一つでもあるのは確かだと思う。
ボクが今読んでいる4コママンガは最新の続刊で
猫を膝に乗せてさっきまで一気に読んでいた。
読み終えた後、先ほどの一息を付き愛猫の頭を撫でたボクは
背伸びをして腰など負荷が掛った部分を柔らかくする。
そこへお盆におやつと飲み物を載せたヨメがやってきた。
「ヤッホー、一息淹れる?」
「そうするよ。いつもいいタイミングだね」
「そりゃあ、それなりに予測していますから♪」
ふふんと鼻を鳴らしてニヤッとドヤ顔するヨメ。
それは凄い、と称賛するボク。
そんなやり取りをおやつを食べながらしていると
ヨメはふとボクの読んでいた4コママンガに視線を落とす。
「そういえば色々と漫画持ってるけども一番多いのは
やっぱ4コマ系だよね?」
「そうだね。様々な漫画は持ってるけども中でもかなりの数を
占めているのは今思えばそうかもしれない」
「やっぱ読みやすいとかとっつきやすいから?」
「それもあるけどもアンソロジーとかの形式だと作者さんごとの
画風とか芸風とかそこら辺を知れたりとか大人になってからだと
また別の面白みを感じられるかなと」
実は実家から幾つかの保管している古い時代のゲームとかの
4コママンガ本を回収しており、ヨメとも読み合ったりしているのだ。
それを聞いたヨメはなるほど~と納得した頷きをして
「私も一度描いてみようかな、4コママンガ」
「題材とか決めてる?」
「ううん、それはまだ。というか出して」
「え?」
「ネタ。私はネームとか描くからキミはネタを書いて。夫婦合作だよ♪」
今まで見たなかった中でもとびっきりの笑みを浮かべるヨメに
してやられた、と内心思いながらも自分もまた笑みを浮かべていることは
気づいていた。
物書きとしてもネタなどの原作としての役割を
一度はやりたかっただけに今回はボク自身の経験値になると考えたからだ。
多分、彼女の方もそれを察してかボクにそう振ったと思う。
「よし、やろう!!」
「いいね。出来たらどこかに投稿するなりのもいいよね?」
「だね。多くの人に見てもらってこそ作品だからね」
そんな会話が弾ませながらネタ出しと構図などの打ち合わせを
始めていくボクたち。
好きなものを好きな形でやっていく。
そしてそれを多くの人に楽しんでもらえる様に努めていく。
ボクらはこれを趣味だけでなく仕事としてやっていけていることを
大切にしていきたいと内心そう思うのであった。
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