第1章 ネットインフラの崩壊

ハッキング、開始。

 Gaysonのハッキングが開始されたのは、4月の、それも晴れた日だった。

地震が起きる日は、曇りや雨といった天候の悪い日に起こるが、

いつだったか忘れた戦争の空襲というのは、晴れといった天候の良い日に、

良い場所で行われた。

そんな風にして、ハッキングが開始されたのだが、

色々なところで欠陥をおこさないように数年前から準備がなされていたらしい。

そんなことは後々わかるのだが。


 アメリカの有名な企業にAppleというものがあるが、

Gaysonに入っていた一部の顧客のiCloudデータがoGaysonのクラウド上に保管されていたためハッキングによって使用ができなくなってしまい、

いろんな企業や個人などへの影響があった。

そのうちに、個人ユーザーにも同じように影響を受けだした。

ユーザーには、メールやツイッター、フェイスブックなどのSNSで、

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

件名 :メールサーバーについてのご理解とご協力について

From: Gaysonシステム


Gaysonをご使用中のすべてのユーザー様へ。


この度、私どものメールサーバーを一新することとなり、

あなた方ユーザーの個人情報を、確認をするという意図のもと、

一度、再登録していただきたく思います。

下記のリンクで、再登録、お待ちしております。


www://gayson.mail.xxx.//・・・


Gayson

このメールは送信専用です。

返信されてもお答えすることができません。ご了承ください。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


といった文書を急に一斉送信した。

すると、Gaysonの思惑通りPCでプログラミングが強い人間以外、

誰も気づくことのなくウィルスに感染、そのままシャットダウン。

うまく充電がないと偽り、もう一度再登録する気にした上で、

別の端末で再感染させるという手法をとった。


 しかしながら、これだけではメールアドレスを持っている人間しか

感染されない、というという欠点があったため、

すぐに別の手法も準備された。

それは、ウェブ検索をすべてメールのリンクにアクセスさせるようにしたのである。

相当なセキュリティーソフトを使用しない限りはすぐに感染してしまうのが

実情であった。


 実際感染者が街で溢れかえるのは少し時間がかかったが、それでも世界規模で見れば早いものであった。それはGaysonが、世界にうまく浸透していたからであろう。


 そんなこんなで、4月の終わり頃にはすべてのネットワーク機器が使用不能となっていた。できるのは、Gaysonを避けてネットをしていたユーザーだろうか。

ネットが使えない世界に逆戻りしたせいで、株式やニュースといった世界同時に色々なことがどんどん進んでいくようなことが崩れてしまい、経済も、政治情勢も、何もかもが瞬時にわからなくなってしまい、時代は20世紀前半に一瞬で蘇ってしまったのである。

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