スカイブルー

 叫び声をあげて逃げ出した彼の後を追うように。私の人生は、花びらが散る如く儚く脆くはらはらと落ちていった。それはそれは潔く、美しく醜く。

 誰かを愛することなんて、本当に無様でどうしようもないことだと、今ならそう思える。けれど、まだ10代だったあの頃の私は、自分のすべてをもって彼を愛し、人生をすべて持ってして寄り添った。

「ああ、あの幸せだった日々。きらびやかに輝いていた日々。愛する人を愛していた時間。全てがただのまやかしで、麻薬に侵されていたようなくだらない幻だったなんて」

 できることならば、あの頃に戻って私に教えてあげたい。ひとつひとつ事細かに、事実を淡々と、そしてひどく感情的に。そうでなければ、きっと伝わらないから。若い頃の恋なんて、そういうものなのだから。


 ふと空を見上げると、雲ひとつない完璧な青が広がっていた。それは何の目印もない単色で、飽きることも知らないどこまでも続く青だった。仰ぎ見るその果てには行き着くところなんかなくて、平衡感覚も、足が地面についている感覚さえも、もはや本物に感じられなくて、私には自分がどこにいるのかさえ、全くわからなくなってしまった。

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