第63話 お茶会

「だから私は弓矢で射る時は…。」


永遠と語り続けているのはイリア・ヘイミング嬢。

トリッシュ王女に呼ばれたお茶会の日、馬車に乗ってから王城に着き、会場となる中庭のテラスについてもなお、ずっと話し続けている。

話は純粋に興味深いものから面白いものと、いろいろとあるが、素直に楽しめない理由があった。


すでにテーブルに腰掛け、話をしている俺たちを微笑ましく見つめているのは彼女の父親、イスプール・ヘイミング卿だ。


元々、昼過ぎにのんびりと出発しようとしていると、早朝にヘイミング親子が馬車に乗って押しかけてきた。

何かあったのかと思い聞くと、ただ「せっかくだから一緒に行こう。」というだけ。

正直、起きたばかりだったので、断りたかったが、2人は念のために早く来ただけで他意はない。待ってくれるという。

…それでお世話になっている伯爵とその令嬢をのんびりと待たせられるほどの度胸はなく、急いで準備した。


その間、相手をさせられていた珀(はく)やライラさんから何かおかしな情報が漏れていないかがとても気になる。

準備ができてから、まだ昼ですらなかったので、しばらく第四師団本部で話をして、食事を共にしてから馬車で出かけ、今に至る。

…午前中の仕事が明日に回ると思うと気が重い。


「私はそう思うのですが、アレイフ様はどう思われますか?」


「え、はい。」


「…聞いていたのですか?」


「…すいません。」


ぷーっと頬を膨らませるイリア嬢、子供っぽい仕草につい笑ってしまう。

最初出会った頃は大人びたイメージだったが、最近では特に子供っぽい仕草をよく見るようになった気がする。


「おやおや、シンサ卿は話に飽きてしまったのかい?」


「いえ、そんなことはないのですが…ヘイミング卿、今日は他の師団長の方もいらっしゃるのですよね?」


「そのはずだよ。我々は少々早くついてしまったが…。」


「そうですか…。」


「何か気になることでもあるのですか?」


俺が暗い顔をしたからか、イリア嬢がこちらを覗き込んでくる。


「いえ…。」


「イリア、シンサ卿はね、第二師団長殿が苦手なのだよ。」


はっきりと言われて顔が引きつる。


「そうなのですか?私もあまりお話したことはありませんが…。」


「いえ…別にそのような…。」


言葉では否定したが、その通りだ。

何度かしかあったことのない、第二師団長を俺は苦手としている。

何がと言われると、具体的には言いにくいが、自分を嫌っている相手に好感を持てる人は少ないと思う。


「第二師団長は…魔法使いが嫌いな上に、家柄もいいからね。」


「確かにお家柄は一流ですよね。しかし魔法使いが嫌いとは…?」


「そのままだよ。彼女は騎士だからね。安全な後ろから魔法を放つだけの魔法使いが気に入らないのさ。」


本来、魔法使いは後方部隊だ。

前衛あっての詠唱時間、威力はあるものの、前衛がいなければ何もできないといっても過言ではない。

だから前衛の歩兵などからは特に嫌われる。

自分たちが身体を張って守ったのに、魔法で敵を殲滅すれば手柄は魔法使いのものだ。

初顔合わせの時も、いきなり舌打ちされたり、睨みつけられたことを思い出し、先が憂鬱になってきた。


「あら、早いのですね。まだ準備できていませんよ?」


そこに登場したのはトリッシュ王女だ、これから準備なのかメイド達と共に現れた。

立ち上がり、全員が臣下の礼をとる。

王女は俺たちに座るように指示し、自分も同じテーブルについた。

六人がけのテーブルがこれで埋まる。


「もうしばらくすれば準備が整うのでしばらくまってくださいね。」


「大丈夫です。少し早く着きすぎてしまったので、場所だけかりていました。」


しれっと答えるヘイミング卿に、トリッシュ王女が首を傾げる。


「お二人共早くついたのですか?それにそちらは確か、イリアさんですよね?式典以来ですね。」


「はい、トリッシュ殿下、お久しぶりでございます。」


俺とイリア嬢を交互に見てからトリッシュ王女はニヤリと笑う。

…悪い顔だ。


「お二人とも仲がよろしいのですね?早く着いたのは偶然ですか?」


暗に示し合わせたのですか?と聞いているようだが、そうじゃない…捕まったんだ。


「せっかくなので、昼も一緒に食べようということになりましてね。」


ヘイミング卿が笑顔で答えるが、言い方が…その言い方だと俺とヘイミング卿が相談したみたいに聞こえるが、実際はヘイミング親子が2人で相談したんだろう。俺は聞いてなかったのだから。


「ふふふ。師団長同士がここまで仲がいいと我が国も安心ですね。」


「ええ、我々は良好な関係ですよ。」


ねぇ?とヘイミング卿がこちらに話をふってくるので、笑顔で「ええ。」と答える。

最近ずっと、ヘイミング卿の手の上で遊ばれている気がしてならない。


なにげない話で盛り上がっていると、メイドがお茶会の準備が出来たと告げてきた。

なので、そちらのテーブルに移動しようと立つと、まるでそのタイミングを見計らったかのように、ゾロゾロと足音が聞こえてくる。

入口の方をみると、トリッシュ王女に負けず劣らず着飾った金髪の女性が、後ろに数人の黄金の鎧をまとった騎士を従えて登場した。


「来たようだね。」


「そうですね…。」


俺は気を引き締めながらヘイミング卿の隣に並ぶ。

金髪の女性は王女の前で臣下の礼をし、口上を述べる。

後ろについていたのは近衛だったのか、入口辺りで待機していた。


「トリッシュ殿下、此度はこのような素晴らしい席にお招き頂き、誠にありがとうございます。」


「ワイトカルネ卿こそ、お忙しい中、よくおいでくださいました。今日は堅苦しいものではない小規模なものですので、どうぞお気楽に楽しんでくださいね。」


「いえ、忙しいなどと、トリッシュ殿下のお誘いでしたら喜んで馳せ参じます。」


そしてワイトカルネ卿こと、第二師団長の目がこちらを捉える。

無言で、俺を厳しい目で見たあと、ヘイミング卿の隣にいるイリア嬢に目がいった。


「そちらは?」


「これは私の娘だよ。イリア?」


「お初にお目にかかります。わたくし、イリア・ヘイミングと申します。どうぞ宜しくお願い致します。」


「これはこれは。私は第二師団長、キリアナ・ワイトカルネです。以後お見知りおきを。」


そしてまたもやタイミングよく、入口から2人の男性が入ってくる。

2人とも短く刈込み、普通の騎士服を着ているものの、大きな身体の異丈夫だ。

そして、ワイトカルネ卿の隣に並ぶと、トリッシュ王女に臣下の礼をとる。


「トリッシュ殿下、遅くなりました。」


「いえ、忙しいところすいません。クライム卿。」


「ワイトカルネ卿、ヘイミング卿、久しぶりだな。」


「はい、クライム卿、お会いするのは久しぶりですわね。」


「久しぶりですね。クライム卿、こっちは私の娘です。」


「お初にお目にかかります。わたくし、イリア・ヘイミングと申します。どうぞ宜しくお願い致します。」


「これは、美しいお嬢さんだ。私は第一師団長、ネロ・クライムという。どうだね?うちの孫を交えてお茶でも。」


「光栄です。また機会があれば宜しくお願い致します。」


全員に挨拶すると、クライム卿は俺の前に立つ。


「久しぶりだなレイ。いや、今はシンサ卿か。」


俺は胸の前で手の平と拳を当て、片膝をつく。

騎士が師匠に当てて行なう敬意を示す所作だ。


「お久しぶりです、師父。その節はお世話になりました。」


「うむ…壮健そうで何より。だが今はシンサ卿だろう?前に顔合わせの時も言ったが、その態度はよくないな。」


「はい。」


立ち上がり、背筋を伸ばす。

…仕込まれた上下関係はなかなか抜けない。それも恐怖と共に仕込まれた関係なら尚更だ。


「驚いた。お二人は特別なお知り合いなのですか?」


「なんでも、師匠と弟子の関係らしいですよ?前回の顔合わせの時、私も驚きました。」


驚く顔のトリッシュ王女にヘイミング卿が説明してくれる。


「でも、シンサ卿の師匠ということは魔法の?」


「いえ、私はシンサ卿に基礎的な身体づくりと剣術の真似事を教えただけです。」


そう、クライム卿は俺が師団長候補だったときに、サイ達と共に師事した相手だ。

本来は第一師団の誰かがくる予定だったところ、なぜかノリノリで第一師団長が来て、俺たちに剣術や槍術などを教えだした。

あの時のウキエさんの心底微妙な顔は忘れない…。

あの地獄の2年で身体に染み付いた上下関係は今になっても全く抜けていない。


「では、そろったところで始めましょうか?といっても席について、親交を深める程度です。気楽にお話しましょう。」


そういうとトリッシュ王女は俺達に席を進めた。

だが…。


「じゃあ、シンサ卿はそっちで。あ、イリアさんも隣のほうがいいですか?ほら、座りましょう。」


なぜか席が指定された。


俺の前にはワイトカルネ卿、右隣にはイリア嬢、その前が王女で、俺の左側にヘイミング卿、その前にクライム卿が座る。

なぜ真ん中なんだ…。ていうか、ワイトカルネ卿が睨んでるし、ヘイミング親子に挟まれるのも変だし。悪意しか感じない席次だ。


そういえば、このお茶会は王女のご褒美だと言っていた。

俺が他の師団長と仲良くなる橋渡しをしてくれるのだろうか。

といっても、仲が悪いというか、嫌われているのは第二師団長だけだけど…。


メイドが紅茶やお菓子を運んでくる。

いい匂いだが、礼儀をきちんと守る必要があるので緊張する…。


「それで、ワイトカルネ卿はシンサ卿の何が気に入らないのですか?」


いきなり空気を凍らせるトリッシュ王女。

最近覚えた礼儀作法通りに飲んでいた紅茶を吹きかけた。危ない!

ていうか、何を言い出すんだ?この王女は。


「いえ…私は別に。」


さすがのワイトカルネ卿もたじろいでるし。

ヘイミング卿とクライム卿は楽しそうに口元を歪めてるけど。


「でも、先ほどから睨んでいるでしょう?」


「それは…。」


「周りから見てもわかりますし、せっかくの機会なのでわだかまりはなくしましょう。」


「いえ…いや、失礼。私は別にシンサ卿個人がどうこうではなく、前衛ありきで魔法を放つ魔法使いが好かないのです。なのでつい見る目も厳しくなってしまう。こればかりは私の問題なのでご容赦頂きたい。」


面と向かって言われると、なんと返していいか困るけど、まぁ職種が嫌いと言われては仕方がない。


「あれ?でもシンサ卿は前衛だよね?敵陣にも先陣切って突撃していくし。」


なぜヘイミング卿がそれを知っている!?

いや…王に渡した記録石の情報を見たんだろうか。


「そうなのですか?」


ワイトカルネ卿がこちらに聞き返してきた。

意外そうな顔をしている。

ていうか、普通の表情で話しかけられたのは初めてな気がする。

これぞ貴族という威圧感は消えていないけど。


「はぁ…一応、そうですね。私は遠距離魔法があまり得意ではないので…。」


「あの…魔法というと遠くから距離をとって放つイメージなんですが。」


トリッシュ王女の言うことももっともだ。

けど、俺はあまり遠距離で発動する魔法を持っていない。


「まぁ普通はそうなんですが…後ろで指揮を執るって柄でもないので。」


「しかし、それでは詠唱できないのではないですか?」


「そこは補助魔法や、クライム卿にしごかれた体捌きが役に立ってます。」


「つまりは敵の攻撃を避けながら魔法詠唱をしているということですか?」


「はい。」


ワイトカルネ卿が手を顎のところへ持っていく。

何か考えるときの癖みたいだ。


「いえ、まさか前衛で動く魔法使いがいるなんて知りませんでした。少し改めさせて頂きます。」


…少しなんだ。

まぁいいか、少しでも。たしかにきつい目線はなくなった。

というかそれだけでも、さっきよりかなり軟化した気がする。

…分かりやすい人だ。


「よかったですね。シンサ卿。」


「ええ。」


トリッシュ王女の声に曖昧な返事をする。


「そういえば、ワイトカルネ卿、息子がまた勝負を挑んだようで、迷惑をかけた。」


「いえ、大丈夫ですよ。こちらこそ、御子息のお身体の方は?」


「大丈夫だ。例え死んでも自業自得だろう。」


「何の話ですか?」


「トリッシュ殿下はご存知ないのですか?我が愚息共がこぞってワイトカルネ卿に求婚しておりましてな。決闘を挑んだのです。」


「…求婚と決闘になんの関係が?」


「トリッシュ殿下、私は自分より弱いものに嫁ぐ気はありませんので、それは明言しております。」


「あぁ…だから決闘…。」


「そうなのです、お恥ずかしい限りですが、全員完膚なきまでに負けてしまいました。」


クライム卿は子沢山だが、確か一番下でも30は超えているはずだ。

ワイトカルネ卿は確か20代。一般的には適齢期か。


「そういえば、ワイトカルネ卿は婚約者がいませんでしたか?」


トリッシュ王女が不思議そうな顔をしている。

たしかに、婚約者がいる相手に求婚って…。


「婚約者なら常にいますが、それはいつの相手のことでしょうか?」


「え…いつのって…。」


「トリッシュ殿下はご存知ないのですか?ワイトカルネ卿は定期的に婚約者を作っては、相手を完膚なきまでに痛めつけ、婚約破棄させているんですよ?」


「ヘイミング卿、それはさすがに言いすぎでは?」


「でも、事実だろう?」


「それは…相手が貧弱なのがいけないのです。」


「いやいや…単に先延ばししているだけだろう?お父上も頭を悩ませていたよ?」


「う…父がですか。」


気まずそうな顔をするワイトカルネ卿。

逆にヘイミング卿は楽しそうだ。


「そういえば、シンサ卿はどうなの?」


「何がです?」


トリッシュ王女の矛先がこちらを向いた。


「婚約者とか、そういう話はないの?」


「…ありませんし、興味もないです。」


「あら?そういうわけにもいかないでしょう?」


「?」


「貴族の義務を果たさないと。」


「はい?」


貴族の義務と言われて思い当たるものはあるけど、この話の流れからすると、女性のことだろう。

残念ながらそっちで思い当たることはない。


「まさか、忘れているのですか?」


トリッシュ王女が驚いた顔をしている。


「シンサ卿、未婚の貴族家党首は1年以内に婚約者を見つけ、更に1年以内に結婚する義務があるだろう?」


クライム卿が教えてくれたが…なんだその悪法。聞いた記憶がない。


「あの…聞いたことがないのですが…。」


「そんなことはないだろう。説明はなかったのか?」


「いえ、貴族の役目や義務、心構えなどの話は受けましたが…。」


念のため、クライム卿だけでなく、ワイトカルネ卿の方にも目線をやったが、無言で頷かれた。

冗談ではないらしい。


「忘れていたということ?」


「いえ、確か冊子を渡されましたが、それにも記載はなかったはずです。」


「冊子?」


「はい、これです。」


手帳のような大きさなので、紋章付きの入れ物と一緒に持ち歩いていたのでテーブルの上に出す。

トリッシュ王女が受け取り、中身を確認する。


「…確かに書いてないわね。」


そういうと、ワイトカルネ卿に渡す。


「…確かに。他はすべてきちんと書かれているが…ん?これは…。」


「どうしました?」


何か気づいたことがあったのだろうか。


「この冊子は第三師団作成のようだ。ここに師団のサインが。」


見せられたところには確かに第三師団のサインがあった。


「ヘイミング卿?」


なぜかヘイミング卿は控えめに目をそらしている。


「ヘイミング卿、あなたまさか…。」


「いえ、別に悪意があってのことではないのですが…。」


「まさか、お父様も?」


「……。」


トリッシュ王女とヘイミング卿の反応の見る限り、国王とヘイミング卿が主犯のようだ。


「なるほど…。」


「トリッシュ殿下?」


「シンサ卿、どうやらあなたは私の父とそこにいるヘイミング卿の策にはまっていたようですね。」


「?」


「1年以内に婚約者が決まらない場合、どうなるかご存じですよね。ワイトカルネ卿。」


「はい、国王がふさわしいと思う者を推挙します。正妻と側室を2名選ばれることもあります。」


「ワイトカルネ卿の言うとおりです。ようするに、このまま知らずに1年が経てば、私の父があなたの婚約者を決める権利を得るのです。ヘイミング卿も協力しているところをみると、何か密約もありそうですね…。」


トリッシュ王女の目線がイリア嬢の方へ向く。

だが、イリア嬢も首をかしげていた。


「まぁ、今日でバレてしまったのです。悪巧みもほどほどにしないといけませんよ?」


トリッシュ王女に対して、お手上げというジェスチャーをするヘイミング卿。


「もし思い人がいるなら、早めに囲っておいたほうがよいぞ。」


和んだ空気の中で、真剣な声音でクライム卿がアドバイスしてくる。


「いませんよ。にしても…なぜそんな義務が…。」


「跡取り問題は深刻ですからね。貴族たるものきちんと家のことも考えなければいけません。」


少なくとも、結婚する気があるようには見えないワイトカルネ卿にだけは言われたくない。


「ん?まさか私か?…申し込んでくれてもかまわんが、一騎打ちでだぞ?」


睨んでいたつもりだったのに、何か勘違いされたみたいだ。


「師団長同士の一騎打ちですか?楽しそうですね。」


楽しそうにトリッシュ王女が乗ってきた。

ダメだ。冗談でもそんな決闘はしたくない。

勝ったら求婚したことになり、負けたら大怪我をする。こっちにとっていいことなんて何もない。


「いや、私は平民の出ですよ?挑戦するのもおこがましい。」


適当に流したつもりだったが、予想外にワイトカルネ卿が食いついてくる。


「出はどうあれ、今は私と同じ伯爵位でしょう。挑戦されるなら受けて立ちますが?」


「はは…では、今度お願いします。」


冗談っぽく流したつもりだったが、ワイトカルネ卿は「いつでもかかってきなさい。」といっている。

たぶん冗談が通じない人なんだろう。


目線を感じて隣を見ると、イリア嬢がこちらを見ていた。


声はでないが口元だけ動く。

…ん?

き・れ・い・な・か・た・で・す・よ・ね。綺麗な方ですよね?

何言ってるんだろう?

そしてイリア嬢の目線が王女と話す、ワイトカルネ卿の方へ向かった。

あぁ、ワイトカルネ卿のことか。

たしかに、長い金髪の髪に、赤いドレスがよく似合っているし、スタイルもいい。

でも、なぜそれを今ここで?


目線をイリア嬢に戻すと睨み返された。

なぜ機嫌を損ねたのかわからない…。


結果としてお茶会は大成功だったといえる。

第一師団や第二師団から今度調練や、戦術のノウハウを教えてもらえる約束も出来たし。

何より、国王とヘイミング卿の策から抜け出せた…いや、抜け出せてはないか。1年以内に婚約者…何かいい回避方法を考えないと。


最後に、定期的に集まりましょうとトリッシュ王女が嬉しそうに言ってたけど、どこまで本気なのやら。

イリア嬢がなぜ機嫌を悪くしたのかは謎だったけど、帰るときにはいつもの感じに戻っていた。

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