幼馴染と一緒に異世界行ったはいいが...
水無月未奈
♯1 異世界にて
気がつくと俺は────
見たことない所にいた。
俺は、学校からの帰りに幼馴染と他愛のない会話をしていただけというのに。
そして帰り道の途中にある本屋に寄ろうと言ったあたりから記憶がないので、多分この辺りからこの変な場所に着いたのだろう。
周りは木々で鬱蒼としており、日が出てるかどうかは分からない。木の密度が濃すぎて、よく分からない。
ここがどこかもわからず、自分達の位置をわかるものもなく、ここで路頭に迷う。
だが、何故か傍らに俺の幼馴染こと、ハルがいた。
だが、ここは1人だけじゃなくて安堵した自分と
ここが明らかにやばい雰囲気でどこにいけばいいかも分からない、そんな焦燥感に駆られている俺がいる。
とりあえず俺はハルを起こしてとりあえずの状況だけでも教えようと思ってた。
「ハル!おい早く起きろ!」ぺちぺちと頬を叩く。
こういう時やっぱり起きないのがお約束というやつか...
いや、だが起こしてもこの状況を打破出来る策が出てくるわけがない。
ガサガサ
は?嘘だろ?茂みから音がする。
俺は────どうすればいい?
このままこいつを連れてこの木々の中走り回るか?
それとも、無理にでも戦うしかないのか?
自分が試行錯誤している内にその茂みに潜んでいた主が、姿を現した。
終わった...そう思い目をつぶって
「タチの悪い夢だったな〜」と言い覚悟を決めた。
「こんにちは〜、ここで何してるんですか〜?」
間の抜けた感じの声がかえってきた。
俺は目が点になっていて、その人は
「おーい、生きてるか〜」みたいな感じで、手を俺の目の前で振り
場違いなノリを出していた。
ここで正気を取り戻した。
「すいません!ここはどこなんですか!?そして、えーとここを抜けるにはどうすれば────」
「一気に言われても分かんないよ。とりあえずそこの彼女さんを起こしてから、そこからあなたの質問に応えましょうー」
「私はリアね、よろしくー」と手を差し出され
「俺は、優人だ、よろしくな。そして俺の隣で寝ているのがハルだ」
そして俺はハルを叩き起し
「何すんのよ〜」と半ばキレかけてきたが
そこから、俺の怒涛の質問が始まった。
まず、ここは日本ではないということ
この場所は、魔王の城の近くの森で
ランクで言えばS級ということ
S級とは、SS,S,A,B,C,D,Eとランクがあり、その中でも2番目に危険な場所と認定されており、敵がかなり強く、4人以上のパーティではないと、行かせてもらえないらしい。
ちなみにこの人は、パーティで来たが、迷ってしまい1人でパーティメンバーを探しているらしい。
だが、ここは魔力が淀みお得意の魔法とやらも効かないらしい。
淀みというのは、彼女のような魔法使いは、自分達の中にある魔力と空気の中にある魔力同士を組み合わせ技を放つのらしいのだが、淀んでいると、魔力が、そこにありすぎて正常に機能しないらしい。
「ど!う!し!て〜!」と持っていた杖をがんがん叩いているが大丈夫だろうか。早くこんな危険な場所から逃げたいんだけどと思っていると
「あっ、そうだー 結局あなた達一般人なんでしょう?ならとりあえずここを下って、村に行きましょうかー
多分私の仲間達も下にいると思いますのでー」と言ってくれた。
「はい!速くそこに行きましょう!」と、俺は語気を強めて言った。
ちなみにハルはというと、ポカーンとした顔でこっちを見て、いきなり
そうか!ドッキリか とかいう検討違いなことを言ってたので後で説明しようと思う。
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