不登校
「今日は学校には行かない」って言ったら、怒られた、何度目かの朝を、思い出している。目が覚めて、涙の流れているときは、だいたいそう。――本が読みたいだとか、ゲームがしたいだとか、そんな理由じゃなかった。「一人になりたい」ただそれだけだった、けど、パパはそれを許してくれなかった。リビングの壁にもたれて、うつむいている私を見て、学校に行こうとする、妹が冷たい視線を、向ける、学校に行こうとする、弟が心配気な視線を、向ける、やめて、そんな目で、見ないで、一人になりたい、私はあわれじゃないよ、一人になりたい、大丈夫とか言わないで、僕を見ないで。みんな家を出ていって、独りになった私は、相変わらずうつむいていた。ひとりになったときと真夜中以外、私は
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