I Have No Mean.

アーモンド

零に帰るだけ

天井の木目を傍観していた

酸素を吸って 二酸化炭素を吐いて

時折目蓋やら心臓やらを無意識に動かし

そうやって ただ 生きているだけ

背中が熱を帯びて

肩甲骨に固い床の感触を刻みながら

或いは携帯の画面六分の一を埋める

友人だった人達からの通知を無視しながら

自分への諦念と失望を抱いていた

嗚呼、これは五月病か

それとも持病の軽いヤツか

どちらにしろ もう思考に耽りはしない

疲れてしまったのだから

もう眠ってしまおう

次現実に這い上がるのは何時だろう

その時までどうか何者も

自分を蘇生しないで下さい

どうか どうか

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