きらめく宝石

カゲトモ

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「ふふふ、今日は旦那に子供任せてきちゃった」

 そう言って笑ったのは同じ商店街で働く写真館の福留さんだ。俺より少し年上くらいだろうか、小学生の子供さんがいるとは思えないような、まるで少女のような笑顔で笑う人。

「おや、大丈夫なんですか?」

「いいのいいの、ゴールデンウィークだってあの人一人で遊びに出ていたんだから。今度は私の番よ」

「ふふ、そうでしたか」

「だから今日はお友達と飲んできちゃった」

 ほわん、と頬を赤く染めた福留さんは一杯目にコンチータをオーダーした。フルーティでまろやかな口当たりのコンチータは、可愛らしい福留さんに良く似合う。年上だけど。

「あぁ、美味しい。花菱さんのカクテルを飲むのはいつぶりだろう」

 うーん、前に来てくれた時からは結構経っているとは思うけど・・・一年は経ってないかな? お店もあるし子供さんもいるし、なかなか来られないよね。

「もう覚えていないくらい前って事ね。もう本当にここ半年くらいは凄く忙しくて。全然自分の時間を持てなかったのよね」

「そうでしたか」

「お友達と集まるのも凄く久し振りだったし」

 ふぅ、とため息交じりに言う。福留さんのお家は子供さんが二人、だったよな。

「下のお子さん、今年小学校入学でしたよね」

「あら、良く覚えているのね。そうなのよ。だからいろいろ忙しくて。女の子だから一から揃えるものも沢山あって。小学校一年生でももうこだわりとか持っているし。お兄ちゃんはお兄ちゃんでまだまだ小さい子みたいで困っちゃうし」

「もう三年生でしたっけ」

「そうなの、でも全然しっかりしてないのよ」

 呆れたように眉根を寄せて笑って見せる。確か上のお子さんは旦那さんに良く似た垂れ目の可愛い子だった。下の子は笑うと福留さんと同じように素敵なえくぼのできる女の子だ。

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