第43話「いざ行けハードウェーザー軍団、響き渡る戦いの詩」~ストーリー構想など~

・天羽院が搭乗する最後のバグロイド・バグテンバーはウィニンガルを防衛するように出現。自己再生能力を持ち、触手からビット射出する事も得意とする巨体のバグロイドだ。潜航して追跡するクロスト、空から追うリキャスト、ただデストロイ・ナイファーやバスター・イレーザーなどの兵器が通用しないほどの強度な装甲を誇り、電次元兵器でなければ効果がないのではとゼルガとシャルは考える。最もこの巨体の弱点を見出さなければ有効な戦法を立てることは出来ないが……。リキャストに向かって触手が伸びるも4本の腕でどうにか跳ね返す。しかし今度は手足が6本の触手に絡まれて身動きが取れない。


・しかしこの危機に電次元サンダーがさく裂し触手は一時的にだが破壊されリキャストは難を逃れる。アンドリューの駆るネクストが到着したのだ。ゼルガへそんなしょぼい戦い方をしていたなら、玲也が呆れるぜとの軽口をアンドリューが叩くも、ゼルガはちょっとした余興だ、ここから巻き返していけると私は信じていると余裕の様子で返し、アンドリューもまた同じスタンスだった。そしてアンドリューはグレーテスト・サークルを駆使してバグテンバーの内部から弱点と思える部分を探し出す、悪いが自分の護衛としてリキャストには回ってほしく、クロストには何とかバグテンバーの動きを止めてほしいと作戦を立案する。クロストが変形してその巨体によるマチェットとホイールを駆使しながらバグテンバーの触手を断ち切り、リキャストがネクストを護衛しながらフロストレーザーとメルトレーザーを併用して、彼からの情報を元に有効な箇所に向けて掃射する。これもバグテンバーの装甲を劣化させていく戦法だ。


・その頃ウィニンガル基地で、才人はこのまま大人しく捕まっている状況が歯がゆいとコメントしていたが、秀斗とイチは既に縄から抜け出しこのまま手をこまねいているわけにはいかない。バグテンバーのデータを電装マシン戦隊に送ればまだ勝機はあるとの事。才人も一か八かやってみると立ち上がり、イチが基地内をかく乱している間に秀斗と才人が天羽院の研究ラボから設計図のデータを入手する事に成功。すぐさま才人は転送銃G1を利用して玲也達にバグテンバーのデータを送る。最も天羽院の部下に見つかり二人は逃亡を余儀なくされるのだが……そんな彼らを陰ながら狙撃して助ける者がいた……ウィンだ。才人たちが捕まるとともに密かに潜伏していたのである。とりあえず秀人を安全な場所へ送ろうと彼らは急ぐ


・そしてバグテンバーの弱点が知られた時に、まるでこの状況から逃れるようにしてバグテンバーはその巨体を飛行させて、触手がグレーテスト・サークルを直撃する。これに墜落するネクストは無防備になろうとしたところを触手が貫かんとしていた……だが間一髪電次元ジャンプでブレストが転送されその触手をカウンター・ガードサークルで切断させる。玲也がとうとうこの決戦の場にやってきた。今こうしてブレスト、クロスト、ネクスト、そしてリキャストの4大ハードウェーザーが集結した瞬間だった。


「羽鳥玲也……君も私もこの日が来ることを夢見ていたのだよ」

「力と力を寄せ合い、この世界の為に戦う日の事だよね!」

「ちょうど空は青いからなぁ!ゼルガ、シャル、そして玲也……!!」

「ハードウェーザー軍団の力を見せてやる!!」


玲也、シャル、アンドリュー、ゼルガの4人は即席で編み出した作戦を実行に移す。才人の知らせてくれた弱点はバグテンバーの底部に動力炉が存在しており、そこを集中的に攻撃する事だ、ネクストが電次元サンダーを放射してバグテンバーを上空に浮上させながら海上へと誘導し、クロストがバスター・マチェットで触手を切断しながら、その巨体からの腕でバグテンバーを固定しながら、底部にもぐりこんだリキャストがフロストレーザーとメルトレーザーを併用して底部の装甲を劣化させていく、その途中マルチブル・シンクロードによる自力電装からネクストが消耗しだし、リキャストのデュアル・メメント・モリも触手によって破壊された。何とかクロスト彼に代わり電次元ブリザードを底部へ掃射しながらゼット・フィールドを展開した状態でバグテンバーを持ち上げる。その際彼女の本体が触手で次々と貫かれるのだが、シャルはクロスト・ワンで脱出して他の2機もすぐさま離れる。そして本体が最後の力を振り絞るようにクロストがバグテンバーを逆さにした。


「玲也君……今だよ!!電次元フレアーフィニッシュだ!!」


・そして上空からブレストがバグテンバーの腹部をめがけて突入を仕掛けてくる。電次元フレアーフィニッシュとは、ブレストがゼット・ブーストを展開した状態で腹部の発射口を開けず電次元フレアーのエネルギーを全身へ解放した状態で空中から体当たりを敢行する大技だ。持ち上げているクロストの本体ごとバグテンバーは貫かれた、全身を火の玉のように赤熱化したブレストによって……。ブレストが炎上した身を鎮めるように海へ沈むとともに上空でバグテンバーが爆散した。あとはウィニンガル基地に乗り込むだけだがバグテンバーに搭乗していた天羽院はどうやらアンドロイドによる偽物だった。本物の彼が一体何をしでかすかわからない。玲也はゼルガのリキャストに乗り移り、クロスト・ワンと共に電次元ジャンプを駆使して乗り込んだ。


・そしてゼルガによるバグテンバーの破壊を知り、パーフェクト・ドラグーンを足止めしていた親衛隊は戦意を喪失して退散した。クロスト・ワンがウィニンガル基地に乗り込んでバグロイヤーの兵士たちを威嚇している間に、玲也、ゼルガ、ユカが攪乱工作を続けていたイチやウィンと合流して天羽院を捜索。その結果天羽院たちは底部の動力炉に身を潜めていたが、才人と秀斗は人質になっており、彼らが手を出すとこいつらも殺してこの基地を爆破してやると脅迫をしかける。そして彼は玲也を目にして才人は別にどうでもよいから人質交換で玲也に来いと命じる。これに才人は俺の事はどうでもよい、お前が親父さんの目の前で死んだら話にならねぇだろ!と反対するも、玲也はまだ俺は諦めないと自分に言い聞かせながら、ここは天羽院の欲求に従おうとしており互いに人質を交換する


 しかしその時ウィニンガル基地に向けてパーフェクト・ドラグーンが突貫を仕掛けた。これによる衝撃で天羽院がバランスを崩したのをみてゼルガがすかさず彼へ何発か発砲しながら突撃し、彼の手に捕まっていた秀斗を玲也達の元に送る。だがゼルガは死に際に天羽院の腕に捕まり、共に動力炉の中へ落ちようとしていた……その所ネクスト・ビーグルから飛び出したアンドリューが素早くゼルガの腕をつかみ、天羽院が動力炉へ落っこちる中彼は間一髪救い出された。だが天羽院の死に呼応するようにウィニンガル基地が自爆しようとしている。玲也達はネクスト及びパーフェクト・ドラグーンへ避難して脱出して爆発に飲まれることをどうにか回避するのであった。


 天羽院の死と共にバグロイヤーはついに崩壊した。パーフェクト・ドラグーンが今アージェス地方、ゼルガの故郷へと帰還する。そしてネクストから降りた玲也は収容された秀斗の姿を目にして今は何といえば良いかわからなかった。だがニアが背中を軽く押した――今は思いっきり行きなさいよと笑いながら。周囲の面々も頷いて


「父さん、ごめん。俺はまだここで終わったらいけないとはわかっているけれども……」

「――今日は特別だ。遠慮することはないから思いっきり来い。もう何年振りだからな」


・玲也が思いっきり父の胸で泣いていた。秀斗は彼が今まで蓄積していた寂しさや恋しさをその身で受け止める。この様子にシャルやエクス、才人はわき目もよらずに思いっきり泣いており、ニアは後ろを振り向きながら今は涙を見せたくないと堪えつつもやはり涙していた。今、羽鳥玲也の戦いが一先ず終わりを告げるが、その後新たな戦いが控えていることは当の本人が、そして秀斗がよく理解している事であった……。

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