第36話「作られし者、認められし者」~ストーリー構想など~

・ドラグーン・フォートレスがロシアに向けて発進し、イーテスト、スフィンストが電装する中で玲也はブレストで出動しようとしたが、ニアの姿が何故かどこにも見つからない。仕方がないのでネクストで代わりに出ることを選ぶ。その頃ニアはドラグーン・フォートレスを飛び出していたことを玲也達は知る由もなかった。マリアから明かされた話を彼女は偶然立ち聞きしてしまい、そのショックで飛び出していたのだ。自分が親について漠然としていたのは、自分がクローンとして作られた存在だったのか、今まで親の事で突っかかっていたのがバカみたいと彼女は悔し涙を流しながら当てもなく飛び出していく。その折に彼女の手を掴んで引き留める少年がいた。ニアから離しなさいよと振りほどかれそうになるも、彼は「お前、クローンだろ」と意味深な事を聞いてきた。その少年の名はガリオといった……。


・そしてロシアではディエスト、サンディストがバグラッシュの群れと応戦しており、その中にジャガー・ベアーが3機配備されており、彼らはネクストを取り囲みながら攻めていく。最もネクストはグレーテスト・サークルにより飛行可能であり浮遊して空中からアサルト・ショートを連射して牽制し、アサルト・ザンバーを空中で突き刺して1機仕留める。これに2機がネクストの右腕にクローを挟み込んで地面へ引きずり込もうとするも、背後からスフィンストのエネルギーキャノン、イーテストのグレーテスト・キャノンが二方へ同時に打ち込まれて怯む。その隙に脱出して電次元サンダーで2機をからめとって粉砕した。


・しかしネクストに向かってバグヘラクレス、バグサロイドが合体したバグタウロスが襲い掛かる。彼女のギムレットクローがグレーテスト・サークルを貫いた。パージして体勢を立て直すネクストに向かい、バグタウロスがランサー二刀流で一方的に攻めかかってくる。レーブンは自分がハインツの娘として、幻獣将軍としてお前を仕留めなければいけない、私の為父の為と戦わねばならない思いをぶつけるも、リンは自分だってエージェントの端くれとして玲也さんを守らないといけないのだから、ここで敗れる訳にはいかないと引き下がろうとしない。だがバグタウロスのビーム砲を受けてネクストが怯んだ時に、ギムレットクローのランサーがネクストの胸部を狙うが……間一髪スフィンストのシュナイダーが盾として2機を守り抜く。姉さんだけがエージェントじゃないとイチの叫びと共に才人が合体には合体だろと誘いかける。玲也は正直早く片づけたいのもあるので同意してコンバージョン。ランサー二刀流に対して、アサルト・シュナイダークローとヒートドリルバンカーで応戦する。


・その頃ニアはとある崖にある洞穴にまでゼルガへ連れられていた。彼女は半ば自暴自棄であたしをどうするつもりなのと問うと、ゼルガは自分が天羽院の手によって玲也を基に作られたクローンだと明かす。最もクローンの立場として羽鳥玲也というオリジナルの存在が気に食わず、天羽院が彼を始末する事を自分には望んでいる、自分は玲也というオリジナルを倒せば本当のオリジナルとして、天羽院に子供として認めてもらえると喜々して語る。そんな彼の元にシーラが戻ってきた。ドラグーン・フォートレスのデータを集めトループをとある作戦の為に送り込んできたとの事。シーラの罠にガリオは少し喜ばし気に彼女を称賛し、このシーラも天羽院に作られた玲也のクローンであるとガリオが明かす。早い話双子のようなものだが、同じ血が流れる者同士で傷をなめあうのも退屈だからと、同じクローンとしてニアを仲間に迎えようと彼は考えているのだ。最もシーラはどことなく複雑そうな表情を少し浮かべていたのだが……。


・その頃バグタウロスとネクストの戦いだがバグタウロスの果敢な攻めに苦戦を強いられていた。最もそれは玲也がニアの秘密を知ってしまった事での動揺も隠せない様子で、実際マルチブル・シンクロードでクロストを動かすような余裕も今の彼にはなかった。操縦が冴えないと気づいた才人が玲也に何かあったのかと問うが、ニアの秘密で苦しんでいることを話せそうにない状態だった。そんな折バグタウロスがアサルトナイフで彼の隙を作ってランサーで突き倒したうえで、前足で踏みつけるようにゼロ距離でビームを放とうとしたが……ビットを展開してのバリアーがネクストを守る。そのビットの使い手はティービストだ。レクターは玲也へニアがガリオの元にいることを告げ、お前が助けに行かなければならないと促す。驚きを隠せない玲也だが、才人はお前がニアちゃん救わないでどうするんだと後は俺に任せろと言いたげで、リンもまた玲也さんにはニアさんも必要のはずと向かうことを促す。これに玲也は二人の気持ちもわかるが目の前のバグタウロスを倒さなければいけないと考えを変えない。二人はそういうことを言っている場合ではないと突っ込もうとしたが、「俺が本気を出せばこの程度の敵は朝飯前だ」と顔を叩いて気合を入れなおす。この言葉に才人はニヤリと微笑みながら、流石玲也と彼を信じイチへお前も気合入れとけと促した。


・かくして体制を立て直したネクストはドリルバンカーを使ってギムレットクローを破壊するも、バグタウロスはもう一つのランサーから放たれる冷凍光線でドリルバンカーを逆に凍らせてしまう。しかしすぐさまパーツを放棄してサイレント・ブローを手にして逆にバグタウロスの左手の機能を停止させる荒業に出て、シュナイダークローでバグタウロスの腹部を突き刺した上で電次元サンダーを放射してバグタウロスは爆発してその場で倒れる。これで厄介な敵は仕留めたと玲也は才人にG1でティービストのコクピットに向かって撃てと頼む。リンは自分も一緒に行かなくてよいのかと問うも、まだ他に敵が残っている事でハードウェーザーの数は減らしたくない。ちょっとマルチブル・シンクロードでしばらく動かすが、才人にとりあえず後を託す。才人からは伊達に玲也の友人をやってるわけじゃないから俺を信じろと激励され、玲也も彼を信じてティービストの元へ移った。だが、才人が操縦を引き継いだネクストは半壊しながらもドナルディがコクピットから重症のレーブンを救い出そうとしている様子を見て躊躇してしまう、ドナルディはレーブンだけでも生かして返そうと瀕死の身でありながら彼女を脱出させようとしているのだ。これに才人は葛藤しながらも悪く思わないでくれとアサルト・シュートで仕留めようとするが、彼の前にバグアーミー・バグジェネラルが立ちはだかり、彼のメリケンに思いっきりネクストが吹っ飛ばされた。


・バグジェネラルにはハインツが搭乗している。彼はネクストに対して止めを刺せるときに刺すのは戦士として当然の事だろうと語り掛けるが、ドナルディからレーブンが重傷を負っているとの通信に対して彼は悲壮な娘の姿に内心動揺してコクピットにすぐさまレーブンを収容し、ドナルディが安堵した様子で静かにこと切れる。一方この隙からネクストが引き下がり代わりにイーテストが参上した。出来が悪いかもしれないが、弟子のピンチに師匠の俺が黙ってられっかと彼がバグジェネラルへ立ち向かい、グレーテスト・デュランダルを振るう所だが、バグジェネラルの背中からドレインクローが放たれてデュランダルのビーム刃が逆に通じない事態に追い込まれる。相手がエネルギーを吸うのならばとすかさずイーテストはグレーテスト・エッジによる後ろ回し蹴りでドレインクローの本体を破壊。しかし今度はバグジェネラルのバグメリケンが思いっきりイーテストの顔面に炸裂して、思わずよろけてしまうが、同時に放ったグレーテスト・マグナムがバグジェネラルの右腕に直撃した。この一進一退の事態だが、ドラグーン・フォートレスから不審者が侵入し、マリアが攫われたとの報せにアンドリューが一瞬中としたとき、バグジェネラルのマルチブルビームランチャーが放たれ目標は達成したとハインツが宣言して退却する。ロシアの戦いはひとまず終わり、才人は自分がバグタウロスを仕留めきれなかったことを謝るが、アンドリューはお前がまだネクストに慣れていないなら仕方がねぇと励まし、それよりあのハインツという男が出来ると確信するとともに、リタの容体が気がかりなところがあった。それよりマリアが行方不明になった事で電装マシン戦隊は彼らの捜索に出る必要があると、ディエストとヴィータストが捜索を開始する。


・そしてその頃、ニアはガリオからの誘いに対してあたしがクローンだとしてもあんたの誘いに乗るわけないじゃないと忽然とした態度で協力を拒む。正直玲也のクローンとは思えないほどあんたは情ない、ただ自分以外の傷をなめあうだけの仲間があんたは欲しいだけじゃないと指摘する。玲也も正直行方不明の父を超えるゲーマーになるとかの為に色々無茶苦茶なことをやっていて変人扱いされるし、後ろ指刺されることもあるけど、彼はそれがどうしたことかと堂々としている。少し変だけどあいつは悔しいけど格好良い、そんな奴なのよ!とまるでニアは玲也のような生き方が羨ましいように叫んでいた。これにガリオが自分は玲也に劣っているとでも言いたいのかと逆上するが、ニアはあぁ、そうよ!と全然屈しない。これに同じクローンごときにこうも言われるとはと彼はニアを始末しようとライトサーベルを引き抜こうとするが、シーラがガリオを止める。それはもっと有効な策があるとの事で、実際ブルー・ホワイトを強奪したトループがドラグーン・フォートレスに潜入してマリアを人質に連れてきたとの事だった。その女を連れて何をするつもりなのかとニアが問えば、シーラが貴方は自分の母を恨んでいるのならば、マリアを始末してその証を証明して見なさいと命じたのだ。ゲノムの人間にだけ効果がある致死性の高い毒針を放つ銃をシーラはニアに渡し、これで本当に始末できるなら、あなたは私たちと相いれないと判断して解放しましょうと約束した。ガリオはどういうつもりだと問うと、クローンは基本作り手でもある親に逆らえないものだから、仮にこれで始末したら別にガリオが気をかける必要はないとシーラは少し嫉妬している様子も秘めながら彼に進言して納得させる。マリアはこの様子にも動じず、あんたはハドロイドとしてバグロイヤーとの戦いに必要な存在、失敗作のお前なら別にその失敗作を作った私を恨んでもおかしくはないだろうとふてぶてしい態度を取っており、ニアは苛立ちから銃口を彼女に向けてしまう。果たして本当に彼女はマリアを撃ってしまうのだろうか……

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