第15話「渦巻く謀略、オーストラリア基地を守れ!」~ストーリー構想など~

・二番隊の本拠地ジークフリートにゲノムへつながるゲートが存在することが判明したとの発表があり、天羽院はバグロイヤーへの最終攻撃兵器ファイナル・アポカリプスによるオペレーション・Aの発動を公表した。このオペレーション・Aの第一段階は宇宙に向けてアポカリプスを打ち上げることであり、その発射基地がPARオーストラリア地上基地になるという。この作戦にエスニックは複雑な心境だった。電次元側の人間もろともバグロイヤーをせん滅する作戦が人道に反するものだが、世間の反バグロイヤーへの意識が高く、国連もその方針に賛同していたとなればやむを得なかった。


・そして天羽院はバグロイヤーの襲来を想定しての会見の護衛を玲也達に依頼してきた。彼が電次元へ足を踏み入れたことそ知ってのことのようで、これに玲也達は彼が何故知っているのかと不信感を抱きつつ、その上で密かに護衛する事を決意する。天羽院が一体何を目的としているのか探る意味合いもあった。かくして玲也達4人はオーストラリアへと向かう。そこで会見前日は観光もそこそこに楽しむ。どうやらウィンと別に転送された3機のハドロイドが今度オーストラリアの拠点に所属するらしく、第4のフォートレスが建造されているとの話が出ていることもあり、オーストラリアではハードウェーザー関係とタイアップした観光名物などもあった。もっとも玲也はスポンサー関係とのタイアップにはあまり興味を示していなかったからか、ブレスト、クロスト、ネクスト関係の商品はあまり入荷されていない。そんでもって人気の高いハードウェーザーはイーテストとダブルストであり、ダブルスト関係では何とマーベルたちのグッズまで平然と発売されていた。その様子に驚きながらもさらにオーストラリアにマーベルたちドイツチームも訪れているとの偶然……いや、ドイツチームにも護衛の話が来ていた訳であった。マーベルはプレイヤーとしてタイアップや宣伝に消極的な玲也達を揶揄うが、玲也は元々ゲーマーの頃からそうだが、プレイヤーとしても自分の名声や富の為に戦っているつもりはないとのスタンスは変えない。


・……が、早くも自分たちがプレイヤーだとの事がばれた。エクスが自分絡みの商品が少ないことを愚痴っていた所が運悪く一人の女性記者に知られたのだ。玲也が彼女を止めて退かせようとするも、玲也がマーベルたちドイツチーム説いたこと、そもそもドイツチームの顔が既に世間に知られていることもあり玲也の弁明は意味をなさなかった。この記者の名前は南出瑠衣……何と才人の姉だ。彼女から才人の事などを色々聞かれ、とりあえず当たり障りない内容で玲也は答える。それからハードウェーザーのプレイヤーについて人々が憧れる理由は、混迷している現在で強い正義の存在を人々が求めている事もあると明かす。これは自分の父がバーチュアスグループの重役だが、それ故に癒着や賄賂などの話もある。自分は親がそのような事に手を染めていることを許せなかったが聞き入れてくれるはずもなく、仮にスキャンダルとして露呈させたら自分はまだしも才人にまで被害が及ぶと、考えた末に家出した過去があったという。ハードウェーザーに対して人々を守ろうとする強い正義のヒーローだと信じている。それを商品として売ることについて自分も若干ためらいはあるが、人々がそれに憧れ、求める理由もまた分かる事との事。彼女の話を受け、玲也は自分は宣伝関係に興味はないが、この戦いを終わらせるために多分これからも必死に戦い続けるつもりだと胸の内を語り、ただ自分たちの正体は世間に公表しないでほしいと頼む。瑠衣はこの頼みに可愛い弟の友人からの頼みなら断る理由はないと笑いながら快諾した。何やら玲也に対して瑠衣は興味を抱いたようで、ニアは彼に対して変な気を起こしてないかと突っ込み、エクスは瑠衣にライバル意識を燃やしていたが……しかし、その頃リンはふと弟によく似た少年の姿を目にした。イチがここにいる、もしかしたらオーストラリアのプレイヤーと一緒ではないかと考えるのだが……。


・そして翌日のハードウェーザー関連のイベントが会場で開かれ、観客も多くいる中で会場の異変などを人知れず玲也達は護衛していた。その頃天羽院の記者会見で瑠衣の上司マリウスがオペレーション・Aという最終作戦をそう簡単に世間へ公表するのは危険ではないかと問われるも、天羽院はこのプレゼンテーションは前線で戦う者たちを鼓舞する意味があると主張する。この会見の内容に玲也は今朝天羽院へ惑星ゲノムへもバグロイヤーへ必死に抵抗する人々がいるのにその人々を蔑ろにすることは止めてほしい、ゼルガだって実際本当にこの戦争を望んでいるかどうかわからないと訴えたことを思い出す。だが天羽院はこれに人々は単純な善と悪との戦いを求めている、君だって父を救うためにバグロイヤーを駆逐したいのではないか?と聞く耳を持たない。この天羽院の話へニアは自分たち電次元の人間をあいつはどう見ているのかと不満気であり、玲也は瑠衣が自分たちハードウェーザーへ強い正義として希望を持っているのと似ているようで異なるのだと考える。


・その折にアズとルミカが何者かに襲われたとの報せが入った。直ぐリンが刺客と応戦していたが、その刺客こそ昨日彼女が目にした少年であり実弟のイチだったのイチは彼女に対して攻撃の手を緩めて激しい頭痛に苦しみながら「姉さん」と自分の事を呼ぶ、まだ弟としての記憶が残っているかもしれない。しかし玲也が駆けつけると彼に向かってイチが襲い掛かってきた。リンはやむを得ず弟から彼を守るために応戦。ただニアが来ると状況から不利と判断してイチは力なさげに撤退する。彼を追おうとする玲也達だが、会場内で仕掛けられた爆弾が爆発したとの報せが入った。幸い空の控室故に人的被害はなかったが、残りの爆弾も12個ほど仕掛けられているらしい。マーベル達が自分たちの顔を活かして観客らを安心させながら、玲也達は極秘に転送銃G1を利用しながら時限爆弾を処理していく。しかし最後の爆弾が玲也から離れた場所にあり、G1のバッテリーも切れてしまう。これにリンが素早く最後の爆弾を取り、屋外に飛び出し空に向けて放り投げると時限爆弾は爆散した。


・しかし休む間もなくオーストラリアの地上にバグラッシュの編隊が襲ってくる。この非常時に天羽院が玲也達を特殊トレーラーへと誘導する。どうやら彼がオーストラリアのフォートレス建造に備えて電装システムをトレーラー内に内蔵していたとの事。何故バグラッシュが地上で暴れているかわからないが今は彼らを止めることが大事。玲也は地上で大勢の敵を相手にするならネクストが最善だとリンを選んだ。ダブルストと共に地上のバグラッシュに応戦する。この事態にヴィータストも電装し、ネクストとのコンバット・コンバージョンに挑む。ネクストに対してヴィータストはウェポンモードとして変形。アサルト・スタンバーとして両腕に連結し、先端からの電磁バーで次々とバグラッシュを串刺しにして機能を停止させた。アサルト・スタンランチャーを本来使おうとしたが、市街地での戦闘で破壊を避けるために、バグラッシュらを機能停止させることが重要と判断した為だった。


・かくして戦闘は終了したかと思うさ中、バグラッシュは無人で操縦されていた。何故地上にバグロイドが襲ってきたのか……南極の時と状況は異なる。だが玲也が考える間もなく。地中から別のバグラッシュが現れ、ネクストを引き込もうとした。地中からのアンカークローで身動きが取れなくなるネクスト。ダブルストが空中から彼を救出しようとするが、その折にどこからかともなく青色のハードウェーザーが現れ、エネルギーライフルを連射して悉くバグラッシュを退けてみせた。このハードウェーザー・ウェザーストは現在放送されているTVアニメ「超電機神ウェザースト」の主役そのものの姿をしており、天羽院はこのハードウェーザーこそ人類の希望になりうるとの大体的な宣伝を行い、その後ファイナル・アポカリプスは宇宙へと打ち上げられた。今回の戦いは天羽院が最初から仕込んでいたものではないだろうかと、玲也は彼へ疑念を強める。そしてイチの姿がその後どこにもなかった事で彼はどこへ行ったのか姉としてリンは不安だった……。

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