第76話 神に逆らう反逆の徒 1

〔対神義勇軍?〕


ユウタが持ってきた話に、聞き返す。


〔はい。街で話題になっています。神を滅ぼさないと、人類は滅ぼされてしまう、という噂が強くなって、義勇軍が組織されたようです〕


〔ルシファーの奴かあ〕


〔それで、プレイヤーの人もちらほら参加しているらしくて・・・報酬に結構レアなアイテムとかも入っているそうですね〕


〔以前アナウンスにあった、次期イベントで、神に敵対する側なのかな。ルシファーを見つけられなかった人達〕


〔六英雄とか騎士団とかは、どうするか立ち位置を定め兼ねているようです〕


〔女神に敵対して良いのかどうか分からないって事だろうなあ〕


+++++++++++++++++++++++++++++++


―最凶のギルドを打ち破れキャンペーンの終了

・明日の0時00分をもちまして、当キャンペーンを終了します。

・キャンペーン終了後は、経験値が通常に戻ります。


―全体イベント、反逆の蛇のお知らせ

・民衆に噂を流して先導し、民衆が神に挑む義勇軍を組織しました。

・現時点を持って、事件の背景を明らかに出来ていないプレイヤーは、

 全て義勇軍に所属して戦う事になります。

・イベントの参加はギルド単位での参加となります。

 勝利した場合、ギルドメンバー全員に特典があります。

 現時点を持って、イベントが終了するまでの間、

 現在所属しているギルドを変更する事はできません。

 また、新規加入する事もできません。

・所属する陣営に関しては、ギルド情報を確認して下さい。

 また、イベント開始までの間に他陣営を手伝うのは問題ありませんが、

 イベント開始後は、各陣営の立場を守って行動するよう御願いします。

・イベントの開始は、3日後の正午とします。

 具体的な内容に関しては、後日出す続報を参照して下さい。


+++++++++++++++++++++++++++++++


〔やっぱり俺達は女神陣営だなあ。他にうちの陣営は誰だろう?〕


俺の言葉に、月花が答える。


〔居ませんよ?〕


何それ。


〔女神陣営って・・・うちのギルドだけですか?〕


ユウタが問う。


〔そうです。まあ、正確には、『凶兎』という事にしますが。ちゃんと顔とか名前は認識出来ないので安心して下さい〕


なんか名前便利に使いすぎじゃない?!六英雄も女神も。


〔・・・まあ、あれだ。今回かなり他のギルドも底上げされたはずだし、対策もとられると思う。多分、前回のような無双は出来ないし、かなり厳しいと思う。人も増えてるし、そもそも参加率も違うはずだ〕


俺が言うと。


〔ですね。かなり厳しいと思います。・・・とりあえず情報収集はやめておくとして、それとなく陣形とか闘い方とか、アドバイスできる箇所はしてみます。こちらの情報を流したりはしないですが、一般論の範囲で〕


ユウタ。


〔そうだにゃあ。さっき始まるまでは肩入れしていいって話だったし、私も色々見てみるにゃ〕


トキ。


〔じゃあじゃあ、私はデマ流したり、情報聞き出したりしてくるね!〕


レイ。待て。


〔まあ、レイ、落ち着きなさい。一方的になると良くないし、前回は目立ちすぎた。それに、このあたりで倒されておくのも悪くない。まあルシファーにしてやられるのは気に触るが、ある程度向こうの陣営に肩入れしておこう、としているのだよ〕


〔えー、何で何で?!〕


〔勿論、始まったら全力を尽くすし、負けるつもりで戦う訳じゃない。でも、今回は事前に敵を妨害したり、情報を仕入れたりはなしにしよう〕


〔うーーー!〕


レイが不満そうだ。


〔ほらレイ、こっちおいで〕


レイを呼び寄せ、頭を撫でてやる。大人しくなるレイ。


〔とりあえず、みんなは各自好きにしてくれ〕


〔分かりました〕


各自返事し、散る。サクラはルシファー探してみる、と言って出て行った。

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