死神のフレンズ

デューク

page・1 転生

「うわあああぁぁ!!?た…食べないでください!!」


「食べねぇよ」


…まさかあんな出会いから数日後にこんな事態に陥ってしまうとはな。俺は死神として永い時を生きてきたが、俺自身こうなるなんていったい誰が予想できただろうか


遡る事数日前……としょかん


目を覚ますとそこには穴の空いた帽子を深々と被った黒髪の女が立っていた。その横には耳と尻尾が生えた女も何人か見受けられた。どいつもこいつも見知った顔だが、俺はかなり驚いた。なんでこいつらが俺の目の前にいるんだ? だって俺あの時……というかなんだこの妙な違和感は……


「リュークちゃん!……ぼくが分か

る!?……一番最初に会った時にしたお話覚えてる!?……食べないでください」


帽子を被った女は必死の形相で俺に詰め寄ってこう質問してきた。一番最初に会った時にしたお話? なんだったっけ? 食べないでください?……あっ


「あぁ…食べねぇよ」


俺は静かにこう答えた

確かこんなやり取りしてた筈だ。

すると……


「リュークちゃん……!!」ガバッ


そいつは俺に抱きついてきた。最初は幻か何かかと思っていたがやはり……


「リュークー!!」ガバッ


「リューク…リュークが生き返ったのだ!!ふぇぇぇぇん!!!」ガバッ


続いて第二第三の刺客が…ま…ちょっとまて一旦状況を整理させてくれ。


「ちょ…一斉に抱きつくな! ってか一体全体どうなってやがる!?」


どうもここはあの世ではなく現世みたいだ。俺はセルリアンを道連れにして砂になって死んだ筈だが…理由はわからんが俺は蘇ったらしい。何故だ?


「まさか記憶もそのまんま残ってたとはねぇ」


と大きい耳を生やした半目の女が静かにつぶやいた。…こんなアクの強い連中そう簡単に忘れられるもんかよ

かばん…サーバル…アライさん…フェネック…んでそこに2人並んでるのは頭から羽の生えたチビフクロウの長共か

記憶に問題は見られない…んだがどうしても違和感が拭えない。目の前のフレンズ達は確かに見覚えのある奴等なんだけど……いろいろ考えてるうちに俺はようやくその違和感の正体に気が付いた。


「あれ?お前らなんかちょっとでっかくなった?」


そうだ…いつも俺は上からフレンズを見下ろしていた筈だ。何故なら俺はフレンズと比べて背が遥かに高いから、2〜3mぐらいの身長差だった筈なのに今の俺の目線はフレンズの奴らと同じぐらいの高さにある。


「リュークさんが縮んだんだよー」


縮んだ?俺の方が小さくなったってのか?


「へ…な、なんで?」


「手鏡です。自分の顔をよく見てみるのです」


博士…と自称する白いチビフクロウに渡されたのは小さな鏡…俺の体に何か変化が? マジで一体どうなってんだ…


「どれどれ……」


俺は手渡された鏡をじーっと覗き込む。そこには……


「」


く、黒髪の女の顔?それもかなり美人な…あれ?今俺が覗いてるのは鏡だよな?なんでいつものギョロっとした顔じゃなくて女の顔が鏡に写ってるんだ? ……はっ


『動物からフレンズになると全員女の子になるんだってー』


そういやフェネックが前雪山でこんな事を俺に言ってた。ま、まさか…


「ちょ、ちょっと待て冗談はやめてくれよ」


自分の胸に両手を当ててみる。そんなはずはない。そんなはずは……

もにゅん

わーやわらかーい

間違いない。こ、このたわわな感触は……

その瞬間俺は全てを理解した



「な……なんじゃこりゃぁぁぁぁぁー!!!?」

おれはただ蘇った訳じゃない。サンドスターを浴びて復活した俺の体は…

女の子になってしまっていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る