96

 死んだと思ったあなたが気が付くと見知らぬ場所にいた。とは言えそこはダンジョンには違いなかった。あなたは死んだ記憶が残っているのもあって、すぐに自分の状態を確認しようとまずは両手を眺める。目に映った自分の両手は腐っていた。嫌な予感を感じたあなたは全身が映るものを探してダンジョン内を彷徨った。


「鏡~鏡はどこだあ~」


 いくら彷徨い歩いても求めるものは見つからない。

 けれど代わりに泉が見つかった。飲めば体力の回復するあの泉だ。あなたはこれで構わないと泉に自分の体を映す。するとそこに現れたのは腐った自分の身体だった。


 そう、あなたは死んだ後、ダンジョンに残留する魔力の影響を受けてゾンビとして蘇ったのだ。


 自分がゾンビだと自覚すると、頭の中に魔王からの命令が直接頭に響いてきた。このダンジョンに生息するモンスターは魔王の命令には逆らえない。

 こうしてあなたは魔王の命により宝箱の番人の役目を与えられる。心がどれだけ反抗しようと本能は逆らえない。

 しかし、抗うのを止めたら心まで魔物になってしまうと、あなたは宝箱の番人をしながら苦悩し続けていた。


 そんなゾンビとなったあなたの前にダンジョンを探索する冒険者が現れた。人間の心は冒険者と戦うのを拒否するものの、ゾンビの本能は冒険者を排除しようと体を動かそうとする。


 ゾンビとしての本能が勝った! 宝箱の番人としてあなたは冒険者を襲う

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885842811/episodes/1177354054885867058


 人間としての心が勝った! あなたは冒険者を見なかった事にする。

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885842811/episodes/1177354054885867233

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る