変な奴

青葉龍星

1

人には少なからずコンプレックスと言うものがある…

外見だったり性格だったりなど色々だが私は外見と性格だと思っている。

自分は男のはずなのに何故か見た目が女性寄りのようでよく間違われて声をかけてきてはなんだ男かよと言われる。

別に好きでこの見た目になってる訳じゃ無い…生まれつきこの姿なのにどうしろと?

そんな事を繰り返して行くうちに性格が歪んでしまったのだろう…人は信用しないしつい手も出てしまうようになった。

そんな状態になってからしばらくして変な奴が話しかけて来るようになった。

スケルツォと言う名前の奴だがとにかくしつこいのとあとウザイ…

自分は男だと言った後も何故かしつこくナンパしてくる。

「ねぇねぇ!!!君、私のタイプなんだけど!!!ねぇねぇ!!!何が好きなの???どんな人がタイプ???」


あぁまたか……ホントにしつこい


「………取りあえずしつこい奴は嫌いです」

「そんな事言わずにせめて好きな物だけでも教えてよ〜!」


教えたら少しは静かになるだろうか……


「……………チッ………好きな物位なら教えてやらんこともない……」

「おっ!?おぉ!!やったぁ!!!教えて!教えて!!!私?私!!?」


グイグイと近づいて来るスケルツォに距離を取りながら

「………君時雨……が好き……だ……」


「carino!!!!!!!!!和菓子だね!!!!!」


どうしてコイツはこんなにもグイグイとしつこくくるのだろうか……

コイツの考えがまるで分からないがとにかくしつこくウザイ奴なのは分かった。



「そうだよ………てかちけーよ!」


更に距離を取るが彼はそれでも距離を詰めてくる。


「今度買ってくるよぉ〜!!!!」

じりじりと近寄ってくる

「何でそんなによってくんだよ……俺男なんだと何度も言ってるだろ!」


更に逃げる


「性別なんて関係ないですよ!!!貴方が好きなんで寄ってるだけ…」


逃げ切れず抱きつかれてしまった……

どうしてこんな俺にかまうのだろうか…別に可愛いわけでも無く、性格が良いわけでも無いのに…

本当に変な奴だ



「………分かったから離れろ…暑苦し…」

「おっ!?分かってくれましたか!!!やったやった!!!」


駄目だ…離れてくれない…


「うざい!離れろ!」


抱きついてるのを離そうとする


「分かった!!離れる…でも諦めないですよ…」


そんなに俺が良いのだろうか……

これだけ言っても諦めないし、今度こそちゃんと俺を見てくれる奴なのかもしれない…



「はぁ……もう少し………静かにしてくれるなら……考えといてやらんこともない……」

小さい声でボソッと呟くように言う


「Capisco!!じゃあ、ちょっと抑えめにいくよ!!」

「はぁ…考えなくもないと言っただけなんだがな……」

「そのうち絶対に私が好きになりますよ!!その時まで諦めないので!!」


ニヤニヤと笑いながら話すスケルツォ


「へぇー……この俺を落とせるか見ものだな」

「へへっ…絶対めちゃくちゃにしてやりますよぉ…」


ケラケラ笑うスケルツォを見て一瞬あっこの人危ない人だと思う


「俺に何する気だよ………」

「へぇー??なんでしょうねぇ???」

へらへらと笑う


「変なことしたら嫌いになるぞ……」

「加減はしますよ…」

わきわきと手を動かしながら


「………変態 ……………」

後ろに下がりながら距離をとる


「変態ですが…???」

藤が離れた分じりじりと距離を詰める


「変態……寄るな……」

後ろに後退する

ここまで自分が変態なのを認めてるとか凄すぎだから!


「それは無理な注文ですなぁ…」

じわじわと藤が離れた分スケルツォが距離をつめる


「変態!変態は嫌いだ!」

「嫌いでも私の事を好きになってもらうまで諦めませんよ!」


ここまで意思が強いやつ見たことないよ……


「変態は嫌いだと言ってるだろ…」

「嫌いでもなんでも絶対好きになって貰いますよぉ…」

にやにやと笑う


「俺なんかより可愛い子そこらにいっぱいいるだろ!」

「かわいい子はみんな私のものなんですよ!!!あなたも含めてね!!!!」

「可愛いって……俺男なのに……」


この人に何を言っても駄目のようだ……しかも今分かったのはコイツは…見た目が可愛ければその子の所に行くと言うことが分かった……

どうしたらいいんだよ…



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変な奴 青葉龍星 @aoba02

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