第4話お互いのこと。
「お邪魔します。」
「どうぞー。」
何だかんだあって今、私は見知らぬ男の人の家にいる。
男性の一人暮らしって、もっと殺伐としたものを想像していた。
だけど、この人の家からはそんなものは感じない。むしろ、他にも同居人がいそうな温かな雰囲気だ。
「あ、自己紹介しないとね。僕は、加賀美祐希。えーと、仕事は見ての通り工業系の仕事をしてます。実はバツイチです。僕としては普通に暮らしていたつもりなのに、ある日突然奥さんから離婚を切り出されました。こんな感じかな。よろしく。」
「私は、本田真紀。大学二年。地元の大学だから、実家から通ってる。色々あって家が嫌になった。だからまあ、公園のベンチに座って今後のことを考えてたってわけ。こちらこそ、よろしく。」
「あ、僕のことはゆうきって呼んでくれたらいいからね。君のことはまきでいいかな?」
「ん。いいよ。」
「了解。」
今、生きていること。 ろゐ @roy_yume
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