反ユダヤ主義って何なん? ←反資本主義・反新自由主義のアイコン…という人類の共同幻想

○反ユダヤ主義って何なん? ←いまや人類最大のタブー


2023年10月7日にテロ組織のハマスがイスラエル民間人を奇襲攻撃し死者約1100人と200〜250人もが拉致誘拐された「アル・アクサ洪水作戦テロ」以後、イスラエルvsハマス・ヒズボラ・フーシ・イランの構図で戦いが一年近く続いており、終わりも見えません。またイスラエルの情け容赦のない攻撃でパレスチナの民間人が多数死亡。確認されただけでも4万人以上、未確認推定値では最大約16万人以上の死者が出ているとされ、今後、イスラエルの戦争犯罪性含めて非常に深刻な悪影響が出そうな惨劇が続いています。


しかし特に異質な不気味さを放つのが「反ユダヤ主義」という現象です。


現在、同時進行的にスーダンやイエメン、ロヒンギャなどの宗教・人種・民族問題が発生しているのですが、しかしこれらの虐殺案件と比較すると、なぜか「イスラエル」もしくは「ユダヤ人」が絡んでくると突然、激しく緊張感が走る別次元の問題に昇華されます。


この世には「反ユダヤ主義」という、他の民族・宗教問題とは一線を画したデッドラインが存在しているのです。


ユダヤ人を巡る歴史・民族・宗教の話は正直、タブーとされています。人類の話題の中で最もデリケートなゾーンと言えそうです。確かに欧米を中心に長いこと多数のユダヤ人が虐殺され、しかもナチス下の欧州においては相当本気の絶滅戦が実施されていた事への衝撃と反省・悔恨の情などから、いまや「ユダヤ人に意見すること自体が差別」という珍妙で異常な雰囲気が醸成されてしまいました。そのくせ、影では〜つまりネットなどでは「ユダヤ人がカネで世界を裏から支配している」という闇の政府ディープステートという陰謀論が今なお全く衰えることなく伝播されています。この奇妙な二律背反性によって、現在進行系の中東イスラエルvsハマス紛争において、解決策も停戦案も見い出せない状況に陥っています。下手に「イスラエルのやりたい放題を許すな」とか「パレスチナ人を守れ」などといえば「反ユダヤ主義」とレッテル付けされそうだからです(怖っ…


もう一つ重要なことは何故かユダヤ人に対する敵意や憎悪は民族・文明を超えて、全人類にかなりの普遍性がある…ということです。

これもユダヤ人に対してのみ見られる奇妙な現象です。たとえば似たように「カネに汚く」東南アジアなどの一部の国では上流国民層を構築しているとよく言われる中国系に関しては世界支配してるという話は聞いたことはありません。中国人は紛れもなく世界で最も偉大な文明を構築した人たちの末裔であり、事実上、古代においては世界を支配するに匹敵するほどの強大さを誇っていたにも関わらず…です。現在、中国および中国人は確かに世界の多くの国・民族と揉めてはいますが、しかしユダヤ人とは立ち位置が全く違います。


とてもカオスです…ಠ_ಠ;


過去、人類の歴史には民族虐殺や本当に滅亡してしまった文明・民族も多数存在し、また世界を支配した民族・国家が複数あったにも関わらず、なぜユダヤ人だけが「特別な存在」になってしまったのか?…の納得のいく説明も、いままで聞いたことはありません。ユダヤ問題を語る有象無象の糞のような役に立たない過去の言説はみな似たりよったりで、しかも解決策も納得もできないままです。


こんなの書いてカネもらえるなんて羨ましいネー( ̄ー ̄)ノ" ゜ ポイッ


…そんなのばっかです。そこで今回、新自由主義者的な我らはマネタリズム的手法〜つまり「カネ」でこの反ユダヤ主義を、我ららしく気楽な感じで考察していこうと思います。そしてカネで考えると意外なほど反ユダヤ主義がスパッと理解できるのです。





○反ユダヤ主義とは「反資本主義」


今日現在、ユダヤ(イスラエル)に関する諸問題に対して解決法や理解が進んでいないというのなら、それは過去のアプローチが「全て間違い」だからです。よって我々は歴史・宗教・人種といった過去の分析手法に拘泥することなく、その代わりにカネで再構築し、この結果、過去の事象の分析の正しさと現状認識の理解の助力となり、もって将来への提案の基礎となる「反ユダヤの構造」を解明しようと思います。


カネでユダヤを見た場合、実はユダヤ人だけが特異な存在になる理由が見えてきます…m(_ _)m


あともう一つ、「ユダヤ人」という定義についてですが、通常、国民や民族は国を持つか宗教や言語が統一してるというのが普通なのでしょうけど、現在のヘブライ語は最近になって復活した言語でユダヤ語がそのまま現在まで生き残ったわけでもなく、また基督教などに改宗してる「ユダヤ人」も多くいます。つまり「定義できん」ということなのです(爆死)。にも関わらず、この定義さえできない「ユダヤ人」を巡って虐殺や戦争や道徳上の問題を延々と引っ張っているのです。テロン人は真性のバカなのかもしれませんね…(ド呆れ


そこで本編では「ワイはユダヤ人」という認識をもった人たちを「ユダヤ人」という「民族集団の構成員」と定義することにします。とはいえ、そうした定義など「どうでもいい」ことなんですが…(←挑発




 ※     ※     ※

 

 

 

ユダヤ人はセム族という種族が、すったもんだの末に現在のエルサレムに相当する地域に国を建て、紀元73年のマサダの戦いの敗北後、国を失って散り散りになったとされています。その後は現在の我々のイメージとは違い、地中海各地などに一定の集団を作って海洋貿易に勤しんだり、中東や欧州、一部にはアフリカに逃れて行ったようです。つまり「ごく普通の民族集団の一つ」に過ぎなかったということです。確かにフランク王国とその周辺諸国などでは有力貴族層にまでのしあがったユダヤ族もいたようです。この辺までは、古代史によくある民族・部族集団と同じということです。


しかし中世に、ユダヤ人と他の民族と少し違うイベントが発生します。

中世になると欧州で貨幣経済が進展し、所得格差・階級格差が生じます。特に王・貴族・有力僧侶などの上級国民層と庶民・下層階級との貧富・権利の格差が発生します。現在につながる原始的な資本主義社会が発生した時代でした。この不平等で不誠実な資本主義が展開していく時代、中世では貧富の格差から富裕層(や貴族層など)が庶民・貧困層に無理な徴税を加えた挙句、貧困に漬け込んでカネを暴利で貸し付けては、返せなければ激しく取り立て身ぐるみ剥がして収奪していく…という非道な行為が散見されるようになりました。


薄汚い資本主義社会の時代の幕開けです…m(_ _)m


特にカトリック教会がこれに咀んでいたようです。最初は宗教的慈悲から始まった貧困者への金貸し業はやがて高金利で暴利を貪る悪徳街金業に成り下がり、約100年に渡って複数回の強力な禁止令がローマ教会および各地方領主・各国家で発布されます。どうやら10世紀の頃のようです。

しかし、禁止されたとはいえ産業の進展にともない貧乏人たちにだって資金需要はあるわけです(カネはないけど…)。そしてお布施やら領地やら、他にも汚いことやったりやらなかったりで多額の現金をもっていた各地のカトリック教会には貸し付けるだけの元ガネはあったわけです。


このためキリスト教会がおおっぴらに街金業を行うことができなくなり、このとき、異教徒であり、なおかつ結構手っ取り早く近くにいたユダヤ人を使うようになりました。現代の日本風にいうならば、バイト感覚でユダヤ人を集め、カネの貸付と取り立てをやらせてマージンはユダヤ人から取り上げる…というオレオレ詐欺みたいな構造です。よって最初、ユダヤ人は勢子せこのような「パシリ」の役割をやらされていたようです。


やがてユダヤ人はカネの管理を覚え、また自分たちも富を蓄えて金貸し業を営み、一部は豊かになっていったようです。カネ管理は貴族など富裕層でも必要な仕事であり、またユダヤ人が金融業を営むようになれば彼らから資金需要を賄おうとするのも当然のこと。このため、カネの管理に必要な読み書き・計算の技術が必須となりユダヤ人は比較的学識を蓄えるようになりました。これは江戸時代の日本でも見られたことで、江戸時代の日本は貨幣経済の進展とともに子供らが将来、奉公人として仕える(≒就職する)必要性から幼少期から男女・階級の別なく寺子屋などで勉強したことと軌を一にします。貨幣経済の進展によりカネを稼ぐ必要から読み書き・計算力が必須となったのです。


必要は発明と技術の母。ユダヤ人がまさにこれで高い学力を身に着け、高度な知的階級を形成するとともに欧州中のカネの流れに関わるようになりました。貴族やら王族、もしくはブルジョワなどにカネを貸し付けたり、カネの指南や管理を請け負ったりするようになり、必然、国境や領地を跨いだ多国籍な独自のネットワークを築くようになりました。「世界をカネで支配する」かのような動きですね(←挑発


またユダヤ人の金貸しにも汚いヤツが多かったのも事実で、実際、年金利40%で貸し付けるなどの「まさにシャイロック」のようなユダヤ商人がいたのも事実です。ただし彼らの名誉のために言えば、それらのいくつかは領主などが庶民・貧民にカネを貸し付ける際にユダヤ人を使ってカネを取り立てた「請負業」だったことも結構あったようです。また高利貸しの禁止などの諸政策も後に施行されるようになっていったのも事実ですが、少なくとも「ユダヤ人はカネに汚い」というイメージを受け付けるのに十分な歴史があったのは事実です。


しかしここまではユダヤ人だけが特別視される理由は弱いと思われます。


なるほど、カネの取り立てとかの憎まれ役をユダヤ人に押し付けたわけですし、またユダヤ人自体も金貸し業をしていたので金貸しの悪いイメージが長年染み付いたというのはアリかと思われますが、金貸し業などでユダヤ人だけが突出していた…というわけでもありません。そもそもカトリック教会が高金利でカネを貸し付けて信者(≒一般人)の怨嗟の対象になっていたのが契機なのですから。また現在でも欧米の金融機関はユダヤ系が強いものの金貸し業の全員がユダヤ系でもありませんし、かつて一度もそんなことはありせんでした。例えば産業革命の国・英国の金融機関の多くはユダヤ人ではないですし、フランス王政を木端微塵にしたミシシッピバブルの立役者のジョン・ローはスコットランド人であってユダヤ人ではありません。複式簿記の発祥地・イタリアのメディチ家がユダヤ系でないのと同じように、です。

また中世以後、植民地獲得に乗り出していた欧州諸国の資金供給にユダヤ人商人が関わっていたことも事実ですが、歴史の教科書をみればわかるとおり圧倒的に少数です。なんでもかんでも「ロスチャイルド家」になってるように、カネで世界征服したのなら他のユダヤ人の名前がボンボン出てこないとおかしいわけです。またユダヤ人が欧州諸国の王を乗っ取ったり、カネを使って征服したこともありません。モンゴル人とは違うということです。おまけに王家に貸付けたカネが焦げ付いて大損したユダヤ人も結構いたようです(爆死


ここまで見てみると多国籍金融業と汚い金貸しはユダヤ特有のものではなく、損するバカも結構いたこと等を冷静に考えれば、影で世界征服している民族とはとても思えないわけです。反ユダヤ主義が「伸びた影に怯える子供」のような間抜けさに見えてきます。他の金貸し屋との唯一の違いといえば「王侯貴族の使いっパシリ」役を頻繁にやっていたということくらいではないでしょうか?


しかしながら、近代以後になると他の民族と唯一かつ決定的な違いが出てきます。

この過程の中で「悪の資本主義の権化」というイメージがついた…ということです。


欧州は中世以後、様々な宗教戦争や革命・実際の戦争を繰り返しつつ現代につながる民主政体へと移行していきます。この過程で封建主義・絶対主義などの王侯諸侯による専制体制が崩壊していくプロセスをたどります。これは特に民衆が増税やインフレ、そして戦争への徴兵や略奪暴行の被害者になるなどの苦難苦役からの解放の歴史でした。庶民にとってそれまでの王政とは貧富の格差の固定化=生活苦であり、この生活苦からの脱却=自由・権利の獲得という歴史でした。この時、悪の王政の走狗と見做されたのがユダヤ人…ということでした。

よってユダヤ人は不平等で貧困を押し付ける階級制度の矛盾と貧富の格差を支えた中世王政の支配層の「悪の一味」とされ、おそらくこの時になって初めて庶民の嫌悪だけでなく「道徳の敵」「貧富と不平等と不正の守護者」とみなされるようになったと思われます。


このイメージはその後の資本主義の進展に伴ってより強化されていきました。


ユダヤ人はキリスト教王政国家における階級社会の中に組み込まれていたわけではなかったアウトサイダーでもあったため、絶対王政の消滅とともに消滅したわけではなく、その後訪れたブルジョワジーの台頭と資本主義の進展という新たな世界にも柔軟に対応していったのです。特にユダヤの金融業者は、人類文明にとって必要不可欠な「カネ」を持っていたため資本主義の根管をす「資金需要と循環」の中に入り込むことが出来たのです。そして資本主義はつい最近まで貧富の格差を生み出し、多数の貧困者を生成する一方で極少数の金持ちが政治家を使って議会を支配する「新たな支配構造」を構築するに至りました。


ユダヤ人という「カネに汚い奴ら」は絶対王政とともに滅びたわけでなく、その後の資本主義の中でも「上級国民」としてノウノウと生き延びた…ということでした。


人類の歴史をカネでみると、余剰生産力の創出が人間の中に貧富の格差を生み、極少数の富裕層が形成され大多数の人たちを隷属させてきた歴史といえます。よってカネという「富」を持っている者は富裕層=権力者層になる事が出来、絶対王政と資本主義との違いは生まれながらの貴族階級だったか、さもなければ時季を得た資本家かの違いでしかなかったということでした。支配=被支配の構造は絶対王政も資本主義も違いがなかったのです。この両方の時代をガッツリ変わらず生き延びたユダヤ人は、特に「悪目立ちした時期があった」ことから人々の記憶に残り、此処に至って「悪の資本主義のアイコン化」したと考えるのが妥当と思われます。


このユダヤ人の「悪い資本主義のアイコン化」は運の悪いことに、その後のヨーロッパの世界支配…つまり全世界の植民地化に伴って世界中に伝播され、我々のような日本人や他の文明圏の人たちにも風のウワサとして耳に入ってくるようになりました。そしてロクに調べもせず、他人のウワサを信じるようになっていった…ということです。ある意味、「宇宙人は存在している」的な都市伝説と同じカテゴリーの話なのですが、ユダヤ人は其処にいて、しかも確かに今でも金融業や投資家として有名人がいたりするので単なる都市伝説では終わらなくなった…的な「底の浅い」話だったのです。


問題なのは「悪の資本主義」というイメージ付けが広まったことでした。


人類の思考の構造として、一度レッテル付けされると「剥がしにくい」という事があります。

これは浅薄な思考でバカげたことなのですが、治りません。物事を極端にシンプル化することで理解しやすくする…という人類の思考様式なのかもしれません。現実を丹念に追跡して検討するという砂を噛むような苦痛多く実り少ない「努力」よりも簡単に世界の知恵を獲得できたかのような錯覚(高揚感)が得られることも大事です。コストがかからないということです。


例えば、皆さんの大嫌いな新自由主義の開祖、ミルトン・フリードマンを見ると、彼は貧しい東欧ユダヤ人の移民二世で、彼の両親はニューヨークで皮革業を営んでいたようです。要するに底辺の一人で、豊かな多国籍金融業者の跡取りではありませんでした。しかも親父は嫌なヤツだったらしく彼のエピソードでは多くを語られることのない人物です。同業他者からも嫌われていたようですし、彼が15歳の時に他界したくらいしか分からず、それどころか残った母親とのエピソードもほとんどありません。その後、この母親がどうなったかは不明で、フリードマン本人は若くして自活し世界恐慌の時にはレストランの皿洗いなど一日10時間以上のバイトしつつラドガーズ大学の奨学金で卒業した…といわれていることから不仲であったことは想像でき、「ユダヤ人は家庭を大事にし、両親は教育熱心」という俗説を真向から否定するような生い立ち連発で「闇が深いなぁ…(困惑)」と思わせる話となっています。家を叩き出されたか、出ていったと考えるべきで、現代の日本人から見ても「異様…」と思えるほどです。ちな、彼が有名人になった後でも母親の話は出てきません。代わりにバイトと学業を掛け持ちしていたので時間がなく、「早食いが特技となった」というエピソードが語られるだけです(闇…


しかし、そんなことはどうでもいいのです…m(_ _)m

歴史の変遷の中で「カネに汚いユダヤ人」にまで昇華し、「実在する影」が出来上がったからです…




○ユダヤ問題が唯一、特別である理由 ←反資本主義のアイコン


この「悪の資本主義の権化」というユダヤ人へのレッテル付けは、全てのユダヤ人にとって決定的かつ致命的な出来事となりました。資本主義は貧富の格差を生み、この「悪の構造」と同一視されるようになったからです。理由もなく、深い検証もなく、単に噂話が「シンプルで理解しやすかったから」という感じにしか思えないのですが、現実にはそんな感じです。


よって資本主義の問題点が沸騰する時期において反ユダヤ主義が高まるのです。

反ユダヤ主義とは「反資本主義」の事であり、ユダヤ人は「悪の資本主義」の象徴アイコンであるのだから、これも当然のことです。


たとえばドレフュス事件という、120年くらい前にフランスで起こった反ユダヤ運動があったのですが、この時期はその数十年前に欧米を中心として大恐慌が発生した時期でありフランスで深刻な景気後退時期の最晩年期に当たります。つまり貧困が蔓延していた時期であり、同時にフランスもまた資本家と労働者とが激しく対立する時代でもあったのです。またナチスの頃がまさにそうで、1929年の世界恐慌の後の貧困と混乱の中でナチスが政権をとり、ユダヤ人迫害を全面に押し出しているのですが、この時に「悪の資本主義者・ユダヤ人が世界を影で支配している。この悪の支配からドイツの自由を奪い取る(民族)革命」運動の様相を呈しています。そうしたポスターが多数作られていることを見たことのある人は多いと思います。これはナチスのプロパガンダというだけでなく「当時の人達が共感できるイメージ」そのものであったわけで、「悪の資本主義(者)によってドイツ民族=庶民生活が破壊されたという事と、この悪のカネという支配構造からの脱却=変革」を誘導する一枚絵となっている…と考えるのが自然ではないでしょうか? ナチスの正式名称が『国家「社会主義」ドイツ「労働者」党』という、一種の反資本主義的な階級闘争的な色彩を帯びている事と軌を一にしているのです。


てか、そもそもマルクス主義が「反ユダヤ主義」なのですから…m(_ _)m


資本論では反資本主義全開で、階級闘争による資本主義の打破が歌われています。内容そのものは紙くず以下であり実現も不可能なので詳細は一切語りませんが、しかしマルクスの資本論の中では反ユダヤ的な色彩が色濃く出ています。マルクスが反ユダヤ主義者だったという証拠はないので、むしろ「ユダヤ的=資本主義という貧富の格差を生み出す悪のメカニズム」として語っているのではないでしょうか?

しかし考えてみればこれは恐ろしいことで、マルクスは特に深く考えることもなく「ユダヤ人のレッテル付け」をベースに資本主義を語っていたという浅はかさ・愚かさを露呈しているということです。これはアホです。


これに反証したい人もいるでしょう。ワイもマルクスが反ユダヤ主義の人種差別主義者というつもりはないのです。ですがしかし現在、反ユダヤ主義的言動を繰り返す人たちの中には、反資本主義・反自由主義者たちが多数いる…ということのバックボーンにはなってるのではないか? …とは言いたいのです。


現在の世界は「世界の上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占め、下位50%の資産は全体の2%にとどまった」(日経2021年12月27日付)というほど格差が広がっています。同じ人間なのに貧困国の貧困層に生まれると一生貧乏のまま。他方、ごく一部の多国籍金持ちドモはやりたい放題です。先進国と途上国との格差も酷いものがありますが、先進国の中においても格差は酷いものがあるのです。

世界最強かつ最富裕国の米国がそうで、上位1%の富裕層が米国の富のおよそ19%を占める一方、下位50%の所得は全米国の富のわずか13%しかありません。つまり米国民の二人に一人(約1.5億人強)の持金を全部合わせても、1%の金持ち(300万人)の総額にも満たない…というほど酷い格差が生まれているのです(国際問題 No. 703〜2021 年 10 月より)。ちな、この米国はジニ係数で0.39くらいとされています。これほど酷い格差が「新自由主義の国」で生まれているのです。


この絶望的な貧富の格差は既に異常なレベルです。これでは新自由主義が憎まれるのも無理はありません。少なくとも300万人以外の人たちから恨まれても不思議ではないでしょう。この所得格差を生み出した「悪の資本主義=新自由主義」のアイコンの一つにユダヤ人がいる…としたらどうでしょう?


現在、中東でイスラエルvsハマス+反イスラエル勢力が激烈かつ終わりなき戦闘を続けています。これに反対する人たちは確かに「戦争反対」とは言っています。しかし反戦運動・親パレスチナ勢力の主体が、何故かツイッターなどで反日・反米とか反政府的な言動を日頃から繰り返していたり、労働組合や左派政治集団もしくは「左巻き」な人たちが不自然なほど多い…という事実をどう考えるか? です。米国においてはもっと過激で明確で、リベラルな学生たちが大学を封鎖したりなどの直接行動に出ていますが、彼らの多くは学生ローンや就職などのカネの問題を抱えているとの事です。


これらの動きは、「ユダヤ人=悪の資本主義(←DS)」というイメージを持ち、この視点から世界の貧富の格差や現在の富の不平等な分配は新自由主義のせいであり、新自由主義によって世界を支配しているアングロサクソン〜特にアメリカという「悪の資本主義」国家によるイスラエル(=ユダヤ人)擁護を打倒する…という左翼思想の現れと見るのが自然ということです。同時に、現在の世界は貧富の格差・所得格差が蔓延している混迷の時代であり、こうした時代には反ユダヤ主義が手を変え品を変えて現れる…ということの現代版と考えるべき深刻な状況ということです。


無論、イスラエルの戦争方針には明らかに戦争犯罪とすべき違法性があり、米国がこれを擁護するのは正しくないとワイも考えます。流石にイスラエルはやりすぎですし、アメリカ人の異常なイスラエル擁護に関しては「ホロコーストを頂点とする歴史的なユダヤ人迫害への真摯な反省」・「政治家の運動資金の調達先」+「宗教的極右の悪影響」の3つ(←これに関してはまた別途、まとめるかもしれません…)が背景にあるとは思いますが、しかし現在のイスラエルに対する反戦運動は何故かハマスやヒズボラといったテロ組織の解体と戦争犯罪に対する追求よりもイスラエルの軍事行動に対する糾弾ばかりであり、バランスに欠けています。


これも「反米」とか「反新自由主義」な人たち〜左翼メディアを含むパヨ公が騒いでいるのも「ユダヤ人=資本主義という悪」のアイコンと捉えているからであり、そもそもマルクス主義という反資本主義と親和性が高いから…というだけのことです。付け加えれば今回、世界各国の民族右翼の動きよりも左派もしくは反資本主義的なセクトの動きが活発なのも、民族右翼は過去のナチスへの反省から「民族主義者が反ユダヤと言い出したら社会から抹殺される」から黙っているだけで(←つまりなくなったわけではない)、その分、左翼の声ばかりが聞こえているだけに過ぎないのも事実と思われますが、リベラル勢力が反戦といいつつも、実は反資本主義もしくは現在の貧富の格差に不満を持っている人たちが多い…というのも、特に不思議ではないということです。またイスラエルを支持しないという国々にグローバルサウスと呼ばれる地域の国が多いことは、多くが貧困国家か反米的色彩のある国、もしくはスペインやブラジルのような左派政権の国…というのも納得というわけです。




 ※     ※     ※



「反ユダヤ主義」というのは「悪い資本主義のアイコンとしてのユダヤ人」という程度のことであり、貧富の格差が絶望的に開いたり、世界大恐慌のような経済破綻を起こした時に生じやすいということになります。ということは、今後、「反ユダヤ主義は永久に失くならない」ということでもあります。資本主義に取って代わる政治経済体制は存在せず、このまま永続することが予想され、この過程では貧富の格差が開く時期もあれば経済破綻する時もあります。こうした時には反ユダヤ主義という「反資本主義という亡霊」が顔を出すだろう…ということです。今後とも資本主義が続く限り、反ユダヤ主義は必ず出てくるということです。


絶望的な結論ではありますが、逆に言えば「反ユダヤ主義は反資本主義」なのだという事を理解し、資本主義社会の国々が自国の貧富の格差是正と福祉につとめることで失くすことも可能…という希望もあります。みんなが豊かになれば反ユダヤ主義は随分軽減するのではないか?…とかなり楽観的に考えているということです。まずはこの「カネの反ユダヤ主義のメカニズム」を理解することが重要と思われます。


『反ユダヤ主義はカネ(貧富の格差)の問題』


…この視点と認識を軽快なタッチで語ってみました。真剣に書いてもネトウヨやパヨクどもに「高瀬が反ユダヤ的なこと言い出してる」とか通報なんかされても困るからです。こちらにはそんな意図などないからです。

また考察を続けていくうちに、深刻に書いても馬鹿げているとワイが呆れたからです。不愉快でもありました。


んで、コレ以上のことを言うのはワイは避けるつもりです。何かまともなことを言っても「ネトウヨ」とか「差別主義者」とか時に「パヨク」とかってレッテル付けされるのはまっぴらごめんですし、ワイがユダヤ人でもなくアメリカ人でもないことや、現在の世界秩序は米国はじめヤルタポツダム体制の延長上〜つまりWW2の戦勝国が勝手に決めた体制なのです。我ら日本は敵国条項の中にある国であり、この無責任かつ傲慢で愚かな世界秩序の外にあり、我々が責任をとる必要は一切ないのです。なら憲法九条の原則に従い「戦争反対」とだけ言い続け、それ以外のどのセクトにも肩入れしない…というのが唯一の正解であり、「関わらない」とするのが正解なのではないかと思うのです。「戦争反対」と言っているのですから無責任と糾弾される理由はないわけですし、当事者が解決すべきなのは言うまでもないことです。また、いま我々は反ユダヤ主義のメカニズムを解析したので、我々は反ユダヤ主義者になりようがないわけです。良識人として全ての責務を果たしたので、あとは我々以外の84億人の知性に委ね、我々は高処の見物…といこうではないですか?


人類の知性に期待しつつ…(←投げやり



 ※     ※     ※


P.S.

最後にどうしてもいわないといけないことなのですが、2023年10月のイスラエル・ハマス紛争は「100%ハマスが悪い」のであり、まずは全ての人質を開放し、その後、ハマスが全責任を追うのが先です。左翼や平和主義者などという連中のパレスチナ支持はテロリストと同列であり、順番が逆です。「ハマスが人質を無条件で即時解放し、犯罪者集団として完全撲滅することだけが唯一の正しい平和」という事をなぜ言わないでパレスチナ支持なのか? …ということです。これに関してはイスラエル人やユダヤ人に対して気の毒に思います。いろいろと問題はあるにしても…です。

この話だけはしておこうと思いました。ユダヤ人犠牲者に心を寄せない左翼や平和主義者は「本物の反ユダヤ主義者」という差別主義者です…m|(_ _)m

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