羊頭を懸けて狗肉を売る

 商法のひとつ。見かけが良ければ、多少品質が劣るものでも売りさばくことができる、の意。

 値段と品質の折り合いが付けば、客は狗肉と知っていようと「はいはい、宣伝ってそういうものだよね」と納得して、あまり文句は言わないものである。

 ただし、許されるラインを見誤ってしまうと、苦笑いだった客の形相が、一瞬にして荒ぶる鬼神に変じるので、簡単なようで実践は非常に難しい。


 例えば、食品の広告写真を実物よりも大きくしたり、果物ジュースの果汁割合を削ったり、接客にあたる従業員の顔写真を盛ったりすることは、慣例として概ね許される傾向にある。

 しかし、広告写真にあるメインディッシュが存在しない、女と偽って男を出すなどすると、店を潰されるほどの深刻な事態になるのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る