他山の石、以て玉をおさむべし

 本来は「他山の石持て御霊を治むべし」と書いたものが、時を経るうちに変形してしまったもの。

 石には魂が宿るため、これをむやみに持ち帰るなどしてはならないのだが、8世紀頃に頻発した災害を怨霊の祟りと考えた人々は、霊山(金剛山と言われる)に住まう御霊に平身低頭して頼み込み、その石を持ち帰って守護神とした。

 そこから、万策尽きつつある窮状、交渉が難しい相手にまで平伏して頼まねばならない状況などを指すようになった。


 余談だが、8世紀の儀式が本当に上手く行ったのかは、よくわかっていない。また、石そのものに怨霊が宿っているという場合もあるため、決して真似をしようとしてはいけない。触らぬ神に祟りなし。

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