第9話
「君には、幸せになってほしいんだ」
少しだけ顔を上げ、少しだけ口角を上げた。
震えている。
泪を零さないように顔がこわばっているのがわかる。
その笑顔がどうしようもなく切なくて、私は君の首に手を回す。
少しだけ力を入れて、ぎゅっと抱きついた。
「私、隣にいたい、今度こそ、行動するの」
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