きみのとなり

青葉芳

第1話

「まだ私から奪うの?精一杯生きているのに、これからもまだ、私から奪うというの?もっともっと不幸になるの?」


私は嗚咽の合間にどうにか叫んだ。

私の頬に手をあて

零れた涙を掬いながら君は言う。


「君はまだなにも奪われていないじゃないか。最初から、あれもこれも君のものじゃなかったろう」

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